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2022年3月2日(水)

国連 沈黙せず

緊急特別会合 各国迫る

ロシア非難決議イエス 核兵器の脅しにはノー

 【ワシントン=遠藤誠二】ウクライナ情勢を協議するため、安保理の呼びかけで40年ぶりに開かれた総会緊急特別会合では、2月28日、各国代表からはロシア政府批判とロシア軍のウクライナからの即時撤退を唱える意見が噴出しました。同時に、多数の国で総会決議を採択しロシアに圧力をかける意見が数多く出されました。


 デンマークのハーマン大使は「最も強い言葉で非難する」と述べ、ウクライナの主権、領土保全、国際的な国境線にたいする「明白な侵害だ」と指摘。「意味のない戦争を止めるべきだ」とロシアに迫りました。

 オーストリアのマーシク大使は「国連憲章が深刻な形で侵害されるときにわれわれは沈黙しない。これはわれわれ加盟国の権利であり義務である」「決議には賛成する。すべての国に賛成を呼び掛ける。そのことが、法の支配、国際法と国連憲章を守るため国連が責任を果たすことになる」と語りました。

 チェコのクルハネ大使は「決議を完全に支持する」「私たちは決してあきらめない。流血をやめさせ、再び平和に機会を与えるために。世界は(採決を)目撃する」と述べ、多くの加盟国の賛成で決議をあげることを訴えました。

 カナダのレイ大使はロシアのプーチン大統領による核兵器の「特別態勢」移行命令など核の脅しについて言及。今年1月のロシアを含む核保有5大国による「核戦争に勝者はない」共同声明を、すでに破ったと批判し、「より多くの死者、負傷者が出る前に、この戦争をやめろ。脅しをやめろ。核のボタンから手を離せ、生きている間は」と厳しい口調で注文しました。

 2008年にロシアの侵攻を受けたジョージアのイムナゼ大使は「わが国への侵攻がすべての国にとって注意喚起となるべきだったが、数年後に同じシナリオがウクライナで起きてしまった」として、教訓が生かせなかったと指摘。決議賛成を主張しました。

 シンガポールのバティア大使は「われわれは、平和、国連憲章、国際法の規範で団結している。わが国は、賛成票を投じることをためらわない。すべての国に賛成をよびかける」と述べました。

 国連安保理でロシア非難決議に棄権した中国の張大使は、ロシア批判を控え、「当事者すべてに、状況を悪化させることを防ぎ抑制させるための行動と政治的解決にむけた外交努力」を呼びかけました。米国などを念頭に「紛争を好む冷戦の考え方の放棄」を促しました。

 一方でロシアのネベンジャ大使は、ウクライナ東部での親ロシア派住民への「迫害」や、ウクライナ政府による北大西洋条約機構(NATO)加盟模索など、理由にもならない事項をあげ、侵攻を強引に正当化しました。

 討論では各国から、ロシア軍の侵攻に協力するベラルーシに対しても「国連憲章違反だ」との批判が相次ぎました。


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