2022年3月2日(水)
「侵攻は国際法違反」次々
国連緊急特別会合 ロシアへ批判集中
【ワシントン=遠藤誠二】ロシアによるウクライナ侵攻を受けて2月28日、米ニューヨークで国連総会の緊急特別会合が開幕しました。グテレス事務総長、シャヒド総会議長、各国の代表が演説し、ロシアの侵攻を「国際法と国連憲章違反だ」などと強く批判。多くの国の代表が、同会合でのロシア非難決議採択を主張しました。(関連記事)
緊急特別会合は1950年から数えて11回目。25日の安保理でロシア非難決議がロシアの拒否権行使で否決されたことから開催が呼び掛けられました。3月2日に緊急特別会合決議案の採決が予定されています。
緊急特別会合でグテレス事務総長は、侵攻が続くウクライナで「子どもを含め民間人の犠牲が出ている暴力激化の状況は受け入れられない。もうたくさんだ」と語り、「兵士は自分の兵舎に帰り、指導者は和平に向け取り組むべきだ」「戦争は答えではない、ウクライナの人々もロシアの人々も平和が必要だ。われわれは平和が必要だ」と説きました。
ロシアの核兵器の「特別態勢」移行をプーチン大統領が、命じたことについて、「身が凍るような展開だ」と表現。「核戦争という発想は想像を絶するものだ。どんな理由でも核兵器使用は正当化されない」と断じました。
シャヒド総会議長は、「国連憲章は第2次大戦直後に、主権平等の原則に基づいて起草された。国際紛争は軍事力使用の脅しなしに平和的に解決することが示されている。(ウクライナで)続いている軍事攻撃は、これと矛盾する」と断言。「暴力は停止を。外交と対話が勝るべきだ」と訴えました。
討論ではほとんどの国の代表がロシアによる一方的な侵攻を非難。侵攻を受けているウクライナのキスリツァ大使が一番に発言し、「もしウクライナが生き残らないなら、国際的な平和も、国連も生き残らない。民主主義が機能不全となっても驚かない」と警告を発しました。