2022年2月28日(月)
選挙買収疑惑
自民京都府連の「引継書」
元事務局長 裁判で証言
地検が資料を「捜査」
自民党京都府連(西田昌司会長)が国政選挙の直前に候補者側から資金を集め、府議会議員らに分配していた選挙買収疑惑の解明を求める声が広がるなか、京都地検特別刑事部が「捜査のため」として府連が関係する裁判の資料を今月18日に閲覧していたことが27日までに分かりました。この裁判では、府連の資金分配の仕組みを記したとされる「引継書」の存在を元事務局長が認めています。(丹田智之)
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地検の事務官が閲覧したのは、2017年6月に自民党京都府連を懲戒解雇された元職員が「解雇は無効」だとして府連を訴えた裁判の資料です。事務官は資料閲覧の目的欄に「捜査のため」と記入していました。
本紙がこの資料を京都地裁で閲覧したところ、19年9月26日の証人尋問で、府連の元事務局長(在任10年10月~14年12月)が後任のために引継書を作ったと認めていました。
選挙買収疑惑を報じた『文芸春秋』3月号によると、元事務局長が作ったとされる引継書で、選挙区内の府議らに「活動費」を配る方法について「議員1人につき50万円です。候補者が京都府連に寄付し、それを原資として府連が各議員に交付する」と説明。「候補者がダイレクトに議員に交付すれば、公職選挙法上は買収ということになりますので、京都府連から交付することとし、いわばマネーロンダリングをする」と記されていたとしています。
証人尋問で元事務局長は、原告側の弁護士から「引継書を作ったのか」と問われて「はい」と述べ、自ら作成したものだと認めました。後任の事務局長(在任14年12月~16年10月)も証人尋問で「引継書を読んでくださいということで(前任者から)預かった」と明かしていました。