2022年2月23日(水)
強制不妊は違憲 判決受け談話
旧優生保護法の強制不妊の規定は違憲とし、国の損害賠償の責任を認めた22日の大阪高裁判決について関係者や支援者はどう見ているのでしょうか。
司法の良心を発揮
日本障害者協議会(JD) 藤井克徳代表
大阪高裁判決は、司法の良心が発揮されたものだと評価します。
憲法13条(個人の尊厳)に照らし、子どもや家庭を持つ権利に関して他の判決より踏み込んだ判断を示しました。
除斥期間をめぐっては、強制不妊手術が障害者差別であり、非人道的な人権侵害だとして例外があることを認めました。画期的です。
国は最高裁に上告すべきではない。また、国会は被害者への一時金支給法の全面改正に取り組むのと同時に、旧優生保護法に関して総括をすべきです。
被害に向き合う判断
新里宏二弁護士
2018年の提訴から七つ目の判決でやっと原告の被害に向き合った判断がとられた。大変、評価したい。
大阪の弁護団が、今回の優生被害は障害者に対する差別であり、障害者が訴えることはできなかったんだということを丹念に主張したことで、判決を勝ち取ったことも評価したい。
全国で25人が原告になり、そのうち4人の方が亡くなっている。今後、早期に判決を確定させて、全体的な救済を国に求めていきたい。
19年に、被害者に対する一時金支給法が成立したけれど、今までで996人しか受け取っていない。抜本改正が必要だ。