2022年2月23日(水)
ロシア、親ロ派地域「独立」承認
ウクライナ東部
プーチン氏、派兵指示
【ベルリン=桑野白馬】ロシアのプーチン大統領は21日、ウクライナ東部で親ロシア派武装勢力が事実上支配している地域の「独立」を承認する大統領令に署名しました。大統領令は「平和維持機能」の遂行のためロシア軍の派遣も指示。親ロ派との間で結んだ「友好協力・相互援助条約」によれば、ロシアは親ロ派の支配地域に軍事基地を建設できるとしています。(ロシア大国主義の暴挙)
プーチン氏は同日、大統領府で緊急の安全保障会議を開催し「すべての対立を平和的に解決するためにあらゆることをした」と主張。親ロ派の「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」に対し、ウクライナ政府側が攻撃を続けていると非難しました。
また、ウクライナ、ロシアなどが停戦と重火器の引き離しに合意した2015年のミンスク合意に関し、ウクライナが後ろ向きだったとして「何もするつもりがないのは明らかだ」と批判。ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟すれば「ロシアの安全保障への直接の脅威となる」と述べました。
国連のグテレス事務総長は「国連憲章の原則に違反している」と批判する声明を発表。国連安保理の緊急会合でも、各国から厳しい批判が相次ぎました。
米バイデン政権は親ロシア派支配地域に対する経済制裁を発動。ロシアに対する措置について、同盟国やパートナー国と協議中です。欧州連合(EU)のミシェル大統領とフォンデアライエン欧州委員長は共同声明を出し、「この違法行為の関係者に制裁で対応する」と表明しました。