2022年2月19日(土)
ウクライナ緊迫
対話と外交で解決を
国連安保理会合 各国代表が主張
米ロ来週にも外相会談開催
【ワシントン=遠藤誠二】国連安全保障理事会は17日、緊迫するウクライナ情勢に関して公開会合を開催しました。各国の代表は、対話と外交による問題解決を主張しました。
米国からはブリンケン国務長官が出席しました。「私は戦争を始めるためにではなく、戦争を防ぐためにここに来た」と述べ、「外交のみがこの危機を解決する責任ある方策だ」と強調。ロシアのラブロフ外相に米ロ外相会談の開催を提案しました。
一方で同長官は、ロシア側が発表したウクライナ国境地帯での軍隊の一部撤退について、「われわれの情報では、そのようなことは起きてはいない」と一蹴。「ロシア部隊は、数日中にウクライナに対する攻撃を開始する準備をしている」と警戒を促しました。
ディカルロ国連事務次長は、「すべての当事者に自制を求める」と訴えるとともに、最近の各国首脳による外交努力を歓迎。「外交以外の手段はない」「われわれはそれを失敗してはならない」と主張しました。
各国からは、「対話と外交を通じて緊張の緩和は可能になる」(フランス)、「交渉と対話が平和を継続させる唯一の道だ」(ブラジル)など、外交を追求してロシアによる軍事侵攻を回避すべきだとの意見が続出しました。
安保理会合は、ウクライナ政府軍と親ロシア武装勢力の停戦を定めた「ミンスク合意」について協議するため、安保理議長国であるロシアが設定しました。
ロシアのベルシーニン外務次官は、7年前に交わされた「ミンスク合意」をウクライナは履行していないと不満を表明しました。
英国代表は、「ミンスク合意」の履行も、外交によって追求されなければならないと指摘し、軍隊を展開させるロシアを批判。ロシアがウクライナに侵攻したら「ロシアは外交に真剣でないことになる」とけん制しました。
ドイツなどは、ロシア議会下院が15日に採択した、ウクライナ東部の親ロシア武装勢力が支配する2地域の独立承認にむけた決議について、「ミンスク合意に違反する」と指摘しました。
米国務省によると、米ロ外相会談について、ロシア側は来週後半の開催を要求。米側はウクライナに侵攻しないことを条件に、これを承諾しました。