2022年2月18日(金)
コロナ対応 危機的状況を発信し、対策の全体像を示せ
志位委員長が会見
日本共産党の志位和夫委員長は17日、国会内で記者会見し、新型コロナウイルス感染症による死亡者や救急搬送困難事案などのデータをもとに、依然深刻な事態が続いていることを示し、全国知事会の緊急提言(15日)が政府に提起しているように、(1)現在の危機的状況が国民に正しく認識されるよう国として強く発信すること(2)昨年11月公表の「取組の全体像」の見直しを含む全般的な対応方針を明確にすること――を強く求めました。
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第一に志位氏は、厚生労働省アドバイザリーボードの16日の報告書をもとに各種メディアは17日、感染者数が「ピークアウト」(頭打ち)したと報じたが、同報告書にも「療養者数、重症者数及び死亡者数の増加が継続している」と明記されており、とくに死亡者数は最悪を更新するなど、「コロナ危機が始まって以来一番深刻になっている」とのべました。
また、救急搬送困難事案(グラフ)は直近でもコロナ前の5倍の数が続くなど「依然として非常に深刻な状況が続いている」として、救急医療が逼迫(ひっぱく)、崩壊の危機にあると強調しました。
その上で、“ピークアウトした”“大丈夫だ”という空気が流れているのは「政府の責任だ」と指摘。「政府が亡くなった方の数や救急医療の実態などすべてを含めて、深刻な事態が続いているという危機的状況について率直に訴えなければ、対策はできない」として、「危機的状況が国民に認識されるようなメッセージ」を出すよう強く求めました。
第二に志位氏は、政府はいまだに第6波前の11月に示した「取組の全体像」を更新していないとして、「検査、ワクチン、医療をどうするか――この全体像をオミクロン前のものでやっている。これではダメだ」と強調。「私は、2週間前の会見で、オミクロン株の特徴にそくした対策をパッケージ(一括)で出すことを求め、政府・与野党協議会や国会質疑で、繰り返し提起し続けてきたが、いまだにその全体像が出ていない」と厳しく批判し、全国知事会の緊急提言も求めるように、全般的な対応方針を明確にするよう強く求めました。
東京と大阪の逆行と地域医療構想
その上で、東京都議会では、小池都政が16日、都立病院条例の廃止案を出してきたことに言及。「都立病院は、コロナ対応の一番のよりどころとして頑張っている。それをこのオミクロンの感染の真っ盛りの状況のなかで廃止する条例を出してくるのはまったく異常なことだ」と厳しく批判しました。
また、大阪府でも吉村府政が、急性期病床を2020年に229床削減し、21年度にはさらに多くの病床を削ろうとしていることに言及。党府議が「せめてコロナ危機のさなかは止めてほしい」と求めても、吉村洋文府知事は“やめない”“進める”との答弁だったと指摘。急性期病床削減ありきの維新府政の姿勢を批判しました。
志位氏は、東京と大阪の動きの大本にあるのが、急性期病床を中心に約20万床を削減するという政府の地域医療構想だと指摘。「消費税を財源にしてベッドを削っていくようなやり方はやめることを決断することを強く求めたい」と述べました。
志位氏は、「コロナ問題で、政府の姿勢を根本からただし、国民の命を守るために引き続きがんばりたい」と表明しました。
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