2022年2月16日(水)
サービス停止は「非道」
障害福祉 天海裁判で原告側訴え
東京高裁
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65歳になって介護保険の申請をしなかったことを理由に、障害福祉サービスを打ち切ったことは違憲だなどとして千葉市を訴えた天海(あまがい)正克さん(72)の控訴審の第2回口頭弁論が15日、東京高裁でありました。
低所得の障害者は現在、障害福祉サービスを無料で利用できますが、介護保険サービスでは原則1割の利用料負担が発生。さらにサービスの内容が変わったり、事業所を変えざるをえなくなったりするなど生活に支障をきたします。
天海さんは無料で障害福祉サービスを利用していましたが、65歳を機に同市から介護保険を使うように言われました。月1万5000円(当時)の自己負担を強いられるため介護保険の申請をしなかったところ、同市は全面的に障害福祉サービスを打ち切りました。
2015年11月に天海さんは同市を提訴しましたが、千葉地裁は天海さんの訴えをすべて棄却。天海さんは控訴し、市の対応と判決の違法性を訴えています。
弁論後の報告集会で、天海訴訟を支援する会の八田英之(はった・ふさゆき)代表は運動を広げ「国民世論を高めていこう」と呼びかけました。
天海さんが市に自己負担が厳しいと訴えていたにもかかわらず、丁寧な聞き取りもせず全面的にサービスを打ちきったことは「非道だ」と原告弁護団の坂本千花弁護士が批判。参加者からは「はがきなどを裁判所に出し、『しっかり審議を』と訴えよう」などの発言がありました。
天海さんは「負けるわけにはいかない」と裁判への意気込みを語りました。