2022年2月10日(木)
参院選躍進を正面にすえ全党がたちあがろう
2月9日 中央委員会幹部会
日本共産党中央委員会幹部会が9日、採択した決議は次のとおりです。
1、4中総決定を力に、あらゆる活動を“参院選必勝モード”に
コロナ・オミクロン株の感染急拡大のなか、「国民の苦難軽減」に献身し、参院選勝利をめざして奮闘する全国の同志のみなさんに、心からの連帯と敬意を表明する。
「4中総徹底と反転攻勢めざす特別期間」(12月~1月)のとりくみを通じて、4中総決定が8割を超える支部で討議され、4割弱の党員に読了・視聴された。4中総決定は、総選挙の「がっかり感」を払拭(ふっしょく)する大きな力となり、全党に新しい活力、明るさ、エネルギーが生まれている。4中総の全党徹底、党旗びらきあいさつの活用は、引き続き党活動の最優先課題である。
同時に、参院選勝利・躍進をめざす活動では、得票目標・支持拡大目標を決定した支部は3割台半ば、宣伝、対話・支持拡大に踏み出した支部は3割弱、入党を働きかけた支部は1割に満たず、読者拡大成果支部は3割にとどまっている。4中総決定を具体化し、参院選勝利・躍進をめざす活動を本格的に発展させることは、これからの大きな課題である。
こうした到達点に立ち、中央委員会幹部会は、今日の政治情勢とのかかわりで参院選での党躍進の意義を深くつかみ、参院選必勝をあらゆる党活動の正面にすえる“参院選必勝モード”に切り替えることをよびかける。
すべての支部、地区、都道府県、自治体・行政区が、「650万票、10%以上」に見合う比例得票目標を決めるとともに、その目標に魂を入れ、参院選勝利を正面にすえた活動にたちあがろう。
2、参議院選挙での日本共産党躍進の意義について
コロナから国民の命と暮らしを守ろう
新型コロナ・オミクロン株による感染拡大が続いている。
深刻なのは、岸田政権の「なりゆきまかせ」の対応である。ワクチン3回目の接種率は、経済協力開発機構(OECD)でダントツの最下位である。PCR検査能力は1日38万件にとどまっている。検査引き上げの目標すら持とうとせず、オミクロン株の特徴をふまえたパッケージの戦略も持っていない。
わが党は、ワクチン3回目接種の加速化、医療機関、高齢者施設、学校、保育所等への重点的な検査と検査能力そのものの拡大、「事業復活支援金」の「持続化給付金」並みの増額をはじめとする暮らしと営業の支援など、「重点要求」を明らかにしている。地方議員が、草の根で相談活動にとりくみ、自治体での対策を前進させていることも重要である。
岸田政権の対応をただし、「国民の苦難軽減」という立党の精神を発揮し、コロナから命と暮らしを守り抜くために力をつくそう。
岸田政権に正面から対決し、対案を示す日本共産党――参院選躍進の三つの意義が明らかに
4中総決定は、参議院選挙の二つの大目標――(1)市民と野党の共闘を発展させ、改憲勢力による3分の2獲得を許さず、さらに自公と補完勢力を少数に追い込むことをめざし、政権交代の足掛かりをつくる、(2)日本共産党躍進を必ずかちとり、衆議院比例416万票を起点に反転攻勢に転ずる――を提起した。
総選挙後初めての本格的論戦となった通常国会のなかで、岸田政権の政治姿勢と総選挙後の新しい政党対決の構図が鮮明となり、参院選の二大目標をやりとげる国民的意義が浮き彫りになっている。なかでも、日本共産党の躍進が、日本の進路にとって決定的であることは、いよいよ明瞭である。
――日本共産党の躍進は、第一に、岸田自公政権に厳しい審判を下し、政権交代の足掛かりをつくる最大の力になる。
岸田政権は、外交では、米国に追従し、「戦争する国」づくりの新たな危険な道に踏み込んでいる。岸田首相は、歴代政権で初めて、施政方針演説で「敵基地攻撃能力保有」の検討を表明し、“相手を殲滅(せんめつ)するような打撃力”(安倍元首相)をもつことも否定しなかった。この道が、「戦争放棄」を宣言した日本国憲法と相いれないことは明白であり、断固として阻止しなければならない。佐渡金山の世界遺産登録推薦をめぐる動きに見られるように、安倍元首相のいいなりに「歴史修正主義」の道に踏み込み、これらと一体に9条改憲の動きが加速していることも重大である。9条改憲を許さないことを市民と野党の共闘の太い柱にすえるとともに、1000万の「憲法改悪を許さない 全国署名」を集めきることをよびかける。
内政では、「新自由主義の弊害」を言いながら、中身は財界応援の自民党政治を継承し、よりひどくするものである。労働法制の規制緩和、社会保障削減、消費税増税によって、格差と貧困を広げ、人々に「自己責任」をおしつける「冷たい社会」、賃金が上がらず、成長もできず、競争力もない「もろく弱い経済」にしてしまった自民党政治の責任が、厳しく問われている。
岸田自公政権に正面から対決し、外交でも、内政でも、「アメリカいいなり」「財界中心」の政治をただす抜本的対案を掲げているのが、日本共産党である。
わが党は、「戦争する国」づくりを断固阻止するとともに、ASEANが中心となって推進している東アジアサミットを活用・強化し、憲法9条を生かした平和外交で、東アジアを平和と協力の地域にしていく外交ビジョンを明らかにしている。
新自由主義を転換し、「やさしく強い経済」をつくる五つの大改革――(1)政治の責任による賃金の引き上げ、(2)社会保障と教育予算を経済力にふさわしく充実、(3)富裕層・大企業に応分の負担と消費税5%への減税、(4)気候危機打開の本気の取り組み、(5)ジェンダー平等の視点を貫く――を提起している。
安心と希望の日本の実現は、わが党の躍進にかかっている。
――第二に、自公と補完勢力による「翼賛体制」づくりを許さない最強の力となる。
維新の会が、あらゆる分野で自公の補完勢力としての本性をあらわにしている。「敵基地攻撃能力の保有は不可欠」と改憲と大軍拡の旗をふり、「解雇ルールの見直しによる労働市場の流動化を」と新自由主義の暴走をけしかけるなど、より右翼的立場から自公政治をけん引する役割を果たしている。
改憲と暮らし破壊の「翼賛体制」づくりを決して許してはならない。この逆流と正面からたたかう日本共産党の役割はかつてなく大きい。
――第三に、野党共闘の大局的発展にとっての何よりの推進力となる。
市民と野党の共闘を発展させ、自公政権を倒し、政権交代を実現する――これはわが党の揺るがぬ大方針である。6年半の共闘の積み重ねによって、都道府県・地域での市民と野党の信頼関係が築かれていることは重要である。
参院選1人区の共闘については、すでに1月24日に立憲民主党に正式の協議を申し入れている。総選挙での「共通政策」「政権協力」の合意を土台に、「対等平等」「相互尊重」の共闘の実現に力をつくす。
共闘の前途には困難も予想される。共闘の大局的な発展を展望した場合、その推進力となる日本共産党を躍進させることが、今何よりも必要である。日本共産党が、比例代表で「650万票、10%以上、5議席絶対確保」を実現し、選挙区での現有議席確保・議席増ができるかどうかが参議院選挙の最大の焦点であり、そこに最優先で力を注ぐ。共闘の前進に期待を寄せるすべての方々に、日本共産党の躍進に力を貸していただくことを心からよびかける。
3、「3本柱の活動」の本格的前進をはかろう
躍進の条件とともに攻撃の激しさを直視し、ただちに攻勢を
4中総決定が全党に新しい活力をもたらし、政治情勢とわが党の任務も鮮明になるもとで、参院選躍進の条件は間違いなく存在している。
同時に、参院選の厳しさと激しさを直視する必要がある。総選挙では、わが党が参加する政権に正面から挑戦するところまで攻め込んだが、支配勢力の激しい攻撃にあい、後退を余儀なくされた。その攻撃は、総選挙後もさまざまな形で続けられている。現在のとりくみの延長線上では、参院選の目標達成はおろか、現有議席からの後退の危険が存在することを直視しなくてはならない。
こうした厳しさは、大局的には、わが党が支配勢力を攻め込んだ「新しいステージ」での厳しさであり、全党の力を結集し、意気高くはねかえし、勝利への流れをつくりだすことを訴える。
想定される公示日までは、すでに5カ月を切っている。「選挙は先」という気分をただちに払拭(ふっしょく)しよう。4中総決定では、早い段階、とくに公示日までに「比例を軸」にした党躍進の力強い流れをつくりだせなかったことを、総選挙のたたかいの教訓として銘記した。この教訓を必ず生かそう。ただちに攻勢的とりくみを開始しようではないか。
「3本柱の活動」の力点――すすんだ党組織の教訓に学んで
(1)参院選躍進の方針は明瞭である。4中総決定にある「3本柱の活動」を、期日までに掛け値なしにやりきることである。次のことに留意し、すべての支部が得票目標・支持拡大目標を決め、「政策と計画」で参院選必勝をめざす活動を具体化し、実践にふみだそう。
――第一に、党の風を吹かせる大宣伝攻勢をかけ、これと結んで「折り入って作戦」と読者拡大の飛躍をはかることである。この間、大量政治宣伝に思い切って力を注いだ党組織は、憲法署名、「折り入って作戦」や党勢拡大でも変化をつくっている。
声の宣伝、ポスター張り出しで他党を圧倒しよう。2月から本格化する第1次全国遊説を、「3本柱の活動」の結節点にして成功させよう。3月末までを節とする「第1次折り入って作戦」にすべての支部が踏み出し、担い手を広げよう。
今日のメディアが権力の監視役を果たしていないもとで、「しんぶん赤旗」の役割が際立っている。「折り入って作戦」と結んで「赤旗」読者拡大を前進の軌道に乗せよう。
――第二に、新しいリーフ「あなたの『?』におこたえします―日本共産党綱領の話」を大量活用し、積極的支持者を増やす作戦を大展開することである。
感染対策をとりながら、リーフを使った「集い」を無数に開催しよう。対話・支持拡大、「折り入って作戦」などに活用し、結びつきにもどんどん渡し、対話を広げよう。『改定綱領の用語解説』も活用して綱領学習にとりくもう。
――第三に、世代的継承を中軸とする党員拡大を、参院選勝利にとっても不可欠の課題として握って離さず、青年・学生、労働者、真ん中世代のなかでの党づくりをすすめることである。
1月の全国組織部長・職場支部援助担当者合同会議では、党員拡大の運動が中断していることを中央として自己検討し、4中総決定の党員拡大の教訓とあわせて、「すべての支部と党機関が、党員拡大目標の5倍、10倍の働きかけの目標をもち、やりとげること」「『綱領を語り、日本の未来を語り合う集い』を軸にとりくむこと」を提起した。いま合同会議の真剣な討議と実践がはじまっている。全党の力を結集し、新しい「入党のよびかけ」リーフを活用して、このとりくみを成功させよう。新歓期を迎えるもとで、民青同盟の拡大を共同の事業としてすすめるとともに、民青のなかで青年・学生党員を増やすための独自の努力を行おう。
(2)都道府県委員会から寄せられた報告によれば、「特別期間」を通じて前進をつくりだした党組織では、党機関から参院選躍進への確固たる構えをつくり、支部が「3本柱の活動」に足を踏み出すまで援助しぬいていることが共通している。
神奈川県北部地区は、4中総決定を98・6%の支部が討議、53・4%の党員が読了・視聴するとともに、青年・学生、労働者の入党も含め1月に掲げた10人の党員拡大目標を達成した。常任委員会が、党員拡大が止まっている現状を真剣に論議し、目標を必ずやろうと、支部に入って党員拡大について討議し、出された対象者に一緒に働きかけた。支部も実際に働きかけをすすめるなかで、情勢の変化や党への期待を感じ、とりくみに拍車がかかっている。
群馬県東毛地区は、12月に真ん中世代2人を党に迎え、12月・1月と「赤旗」日刊紙・日曜版読者とも連続前進をかちとり、日刊紙で前回参院選時を突破、日曜版の回復もあと一歩に迫っている。党旗びらきあいさつを全党員分印刷し、地区委員長を先頭に、地区役員、地方議員が支部会議に入って政治討議をすすめ、「折り入って作戦」などの行動日が決まるまでの丁寧な援助に執念をもってとりくんで、変化をつくっている。
これらの経験に学び、「3本柱の活動」の本格的前進をはかろう。
参院選と統一地方選挙・中間選挙を一体にたたかおう
参院選は、来春の統一地方選挙や中間地方選挙と一体不可分のたたかいとなる。
参院選でのわが党の躍進は、統一地方選挙の勝利をきりひらくうえでも決定的である。統一地方選候補者が、「参院選でリベンジすることなしに自らの再選もない」と、「3本柱の活動」をけん引する奮闘も始まっている。3月末までに候補者を決定し、地方議員・候補者が自らのたたかいとして参院選にたちあがろう。地方議員・候補者の日常活動と党生活への援助を重視し、統一地方選勝利の課題と相乗的にとりくもう。
参院選躍進の勢いをつくるうえでも、中間地方選挙の勝利が重要である。総選挙後の中間選挙は、前回比12議席減となっており、前進に転じることができていない。一方で、党議員が空白であった3自治体で、4中総が指摘した議席後退の要因を打開し、新たに議席を獲得する成果も生まれている。
これから7月末までに91市73町村の中間選挙がたたかわれる。4中総決定で述べた教訓を生かしてすべてのたたかいで勝利し、参院選躍進の流れをつくりだそう。中間地方選挙のたたかいでも、参議院選挙での党躍進の「三つの意義」をおおいに語り、リーフ「あなたの『?』におこたえします―日本共産党綱領の話」を大量活用して、積極的支持者を増やすことを大戦略にすえよう。
4、党創立100周年――「新しいステージ」を前にすすめる党を
今年は党創立100周年となる。いまわが党は、100年という歴史上初めて、日本共産党が参加する政権を現実の課題として追求する歴史的時期――「新しいステージ」に立っている。この歴史的時期に照らして、わが党のもつ政治的・組織的な力量には大きなギャップがあり、それを前向きに打開する活動が強く求められている。
ギャップをのりこえる条件は大いにある。何よりも2年前に決定した改定綱領は、社会変革をすすめる最大の政治的・理論的力である。1万8000の支部と2600人の地方議員をもち、草の根で国民と結びついていることも、わが党の誇りである。
その力を今こそ総発揮し、4中総決定を力に「3本柱の活動」をやりぬき、参院選で必ず躍進をかちとり、政権交代をめざす「新しいステージ」を前に進めようではないか。