2022年2月8日(火)
市街地に位置・空港も近い那覇軍港
米軍、大規模訓練狙う
知事「断じて容認できない」
|
|
在沖縄米海兵隊(第3海兵遠征軍)は7日、那覇軍港(沖縄県那覇市)で8日から13日まで、海兵隊員約250人とMV22オスプレイなど米軍機を投入しての大規模な訓練を実施すると発表しました。沖縄県の玉城デニー知事は同日の会見で、「市街地に位置し、多くの民間機が離発着する那覇空港が近隣にある。訓練は断じて容認できない」と厳しく批判。県は同日、訓練の中止を政府や米軍に要請しました。
海兵隊の報道発表によれば、最精鋭部隊である第31海兵遠征隊約250人が「人道支援」「大使館補強」「非戦闘員避難」などの訓練を実施。MV22オスプレイに加え、CH53Eヘリ、UH1ヘリ、CH47ヘリなどが投入され、海兵隊部隊は米海軍の汎用(はんよう)揚陸艇(LCU)を使用するとしています。
那覇軍港はフェンス1枚で国道と接しています。報道発表は「米軍所有の武器が目に留まるおそれがある」と警告しています。
那覇軍港への米軍機飛来をめぐっては、昨年11月19日、県などへの事前通告もなくオスプレイ3機が「船で本国に輸送するため」として普天間基地(同県宜野湾市)から飛来。沖縄の施政権返還にあたり基地の使用条件を定めた1972年の「5・15メモ」では那覇軍港の使用条件は「港湾施設および貯油所」としており、完全な目的外使用でした。県は厳しく抗議し、外務省・防衛省を通じて米軍機の飛来を一切行わないよう要請しました。米軍はこの要請を無視した形です。
しかも、県が沖縄防衛局に照会したところ、防衛局は今回の訓練について把握していなかったことも判明。デニー知事は「政府は基地管理者としての職務を放棄している」と厳しく批判しました。