しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年2月5日(土)

裁判官が突然退廷

東京地裁 「弁論権侵害」原告ら会見

安保法制 違憲訴訟

 安保法制(戦争法)は憲法違反だとして東京地裁で裁判をたたかう「安保法制違憲訴訟・女の会」の原告と弁護団は4日、武藤貴明裁判長の裁判進行に異議を申し立てたとして、都内で記者会見を開きました。会見で原告側は、口頭弁論の最中に裁判官たちが突然退廷したことで弁論権を侵害されたと主張しました。


写真

(写真)記者会見で異議の申し立てについて説明する原告と弁護団=4日、東京都千代田区

 原告側によると、問題となった進行は1月28日の口頭弁論でのこと。この日は30分間で弁護士3人による意見陳述が行われました。

 意見陳述に続いて山本志都弁護士が発言しようと起立し、「今後の立証について…」と意見を述べ始めたところ、それを遮るように武藤裁判長が右手を差し出し、陪席裁判官に目配せした上で後ろの扉から退廷しました。

 このときに同裁判長は何らかの発言をしたとみられますが、小声で聞き取れなかったといいます。

 秦(しんの)雅子弁護士は「よく分からなかったので『裁判長に戻ってきていただきたい』と書記官に求めたところ、1時間以上も待たされて『裁判長は来ない。閉廷した』と告げられた」と説明しました。

 裁判所に提出した異議申立書では、原告の意見を無視して退廷した武藤裁判長の行為は「原告代理人の正当な弁論権を侵害している」と指摘。新たに期日を設けて審理を続行するよう求めています。

 また原告、弁護人、傍聴人が法廷を出ようとすると、廊下に警察官を含む数十人の警備要員と柵がバリケードのように配置されていたといいます。

 申立書では、原告らが裁判所職員から退廷を求められた事実はないと主張。原告らが移動できない状態で「威圧した」として、過剰警備の法的根拠を明らかにするよう求めています。

 角田由紀子弁護士は、「私たちは警備の対象となるような行為はしていない」と抗議の意思を示しました。

 同訴訟は、原告121人と弁護士の全員が女性です。安保法制が「平和を願って行動してきた原告に損害を与えた」として国家賠償を求めています。


pageup