2022年1月29日(土)
広島県議ら35人「起訴相当」
河井元法相買収事件 問われる首相責任
検察審査会議決
元自民党衆院議員の河井克行元法相=公選法違反罪で懲役3年の実刑確定=らから、2019年の参院選をめぐり現金を受け取ったとされる自民党の広島県議など100人について、東京第6検察審査会は28日までに、うち35人を「起訴相当」とする議決を出し、同日公表しました。(関連記事)
受領側には自民党の地方議員が多くいます。広島県は岸田文雄首相の地元でもあり、事実の解明と説明責任が首相に問われています。
「起訴相当」となった35人について東京地検が再捜査し、処分を決めます。再び不起訴となり、検審が2回目の「起訴相当」を議決した場合は強制起訴となります。
ほかの46人は「不起訴不当」となり、検察が再捜査します。残る19人が「不起訴相当」となりました。
議決書によると検審は100人とも公選法違反罪が成立すると判断しました。とくに議員や首長という立場で違法な現金を受領したのに辞職すらしていない場合は、「自己の犯罪行為の重大性を認識しているのか甚だ疑問である」と指摘。そのうえで公職にあり10万円以上の金品をもらったのに返金や辞職しなかった者について、「責任の重さ、情状の悪質性に鑑み起訴するのが相当」としました。
また議決書は、公選法が国民主権を守るための重要な法律であり、違反行為を「軽視するべきではない」と指摘。買収した克行元法相、妻の案里・元自民党参院議員=有罪確定=のみが罰せられて、受領側が処罰されないのは「重大な違法行為であることを見失わせるおそれがある」と結論付けました。
受領側については検察が昨年7月に不起訴と判断。処分を不服として広島県内の市民団体のメンバーが検審に審査を申し立てていました。議決は昨年12月23日付。