しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年1月22日(土)

主張

衆参代表質問

根本的転換迫る対案に応えよ

 岸田文雄首相の施政方針演説に対する各党代表質問が衆参本会議で行われました。日本共産党は衆院で志位和夫委員長、参院で小池晃書記局長が新型コロナウイルス対策や経済、外交について対案を示し、首相の姿勢をただしました。財界中心、米国言いなりの政治からの転換が問われています。しかし、提起された問題に首相はまともに答えず、これまでの自民党・公明党政治を改めようとしません。これでは打開の道は開けません。

財界応援の弊害直視せよ

 オミクロン株から国民の命を守ることは最優先の課題です。志位氏、小池氏はワクチンの迅速な接種や検査の抜本的拡充を求めました。在日米軍の検疫が米軍まかせとなっているため感染が拡大したことについて首相は「特別な扱いとの指摘は当たらない」と言います。日米地位協定で米軍に治外法権的特権を保障している異常さを自覚しない、独立国の首相として情けない態度です。

 首相が施政方針演説で述べた新自由主義の「弊害」について志位氏は首相の認識を問いました。新自由主義の「自由」が大企業のもうけの自由であり、そのために国民に自己責任を押し付け、弱肉強食を強いているのではないかとただしましたが答えがありません。

 日本は今や主要国で最も「成長できない国」です。労働法制の規制緩和、社会保障の削減、消費税の連続増税によって実質賃金が減り、消費が冷え込んだためです。大企業の利益を何よりも優先させる自公政治が根底にあります。

 ところが首相は「自民党は国民生活の発展に尽くしてきた。財界応援政治との指摘は全く当たらない」と言い張り、一切反省を示しません。

 志位氏は新自由主義を転換し、“やさしく強い経済”に改革するための提案を行いました。政治の責任で日本を「賃金が上がる国」にしなければなりません。人間らしい雇用のルールをつくり、非正規雇用を正規化し、最低賃金を引き上げる必要があります。社会保障費の削減路線をやめ、拡充に転換すべきです。大企業と富裕層に応分の負担を求め、消費税を5%に減税することが急務です。

 大規模な省エネルギーと再生可能エネルギーの普及で気候危機を打開することは雇用を増やし、経済を強くする上で決定的です。

 男女の賃金格差の是正も欠かせません。格差の実態公表を企業に義務づけることを迫ったのに対して首相は、有価証券報告書の開示項目にするよう検討すると答えました。格差を実際になくすため政治が責任を果たすべきです。

平和と協力の東アジアを

 岸田政権が米国に追随して敵基地攻撃能力の保有に踏み出していることは重大です。中国の覇権主義的行動に対して国際法に基づく冷静な批判こそ重要です。志位氏が、東アジアサミットを活用して平和と協力を築くことを提起したのに対し首相は「活用していく」と答えざるをえませんでした。

 沖縄県の米軍新基地建設について首相は「唯一の解決策」と繰り返すだけです。核兵器禁止条約については、オブザーバー参加すら拒む首相を小池氏が批判しました。

 岸田政権には、政治のゆがみの大本を正す意思も力もありません。これに代わる新しい政治を実現することが急がれます。


pageup