2022年1月21日(金)
コロナ・経済・外交――対案示し、転換迫る
志位委員長が代表質問
衆院本会議
日本共産党の志位和夫委員長は20日、衆院本会議で代表質問に立ち、オミクロン株が猛威をふるう新型コロナウイルス対策や経済、外交で岸田文雄首相の基本姿勢をただしました。日本共産党の「やさしく強い経済」「東アジアを平和と協力の地域にする外交」の対案を示し、財界応援、アメリカ言いなりの政治の転換を迫りました。岸田首相は質問にまともに答えられず、「指摘はあたらない」などと述べ、異常な財界応援、米国言いなり姿勢をあらわにしました。(代表質問の全文)(関連記事)
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志位氏は、政府のオミクロン株対応は後手後手だと批判。緊急にただすべき課題として(1)ワクチンの3回目接種が全国民の1・3%と遅れている原因を明らかにし、最大限迅速な接種を進める(2)PCR検査について自治体任せを改め、国主導で抜本拡充する(3)「自宅放置」での犠牲を二度と出さないための医療・保健所体制の強化(4)米軍基地が水際対策の「大穴」となった反省にたち、日米地位協定を抜本改正する―の4点を提起しました。
岸田首相は、日米地位協定にかかわって他国と比べ「特別な扱いとの指摘はあたらない」と強弁しました。
また志位氏は、新自由主義の「弊害」についての認識を正面からただしました。
志位氏は、「新自由主義」の「自由」とは「国民にとっての『自由』ではなく、大企業のもうけの『自由』だ」と主張。新自由主義が日本を「賃金が上がらない」「成長できない」「競争力が弱い」という“もろく弱い経済”にした事実を告発し、労働法制の規制緩和、社会保障削減、消費税連続増税を進め、財界応援をしてきた歴代自民党政権の責任を追及しました。
その上で志位氏は、新自由主義を転換し“やさしく強い経済”への大改革を提案。(1)「賃金が上がる国」への転換(2)社会保障拡充への転換(3)富裕層と大企業に応分の負担を求め、消費税5%への減税(4)気候危機打開(5)ジェンダー平等視点を貫く―を示しました。
岸田首相は質問にまともに答えられず、「財界応援の指摘はあたらない」などと答弁不能に陥りました。
さらに志位氏は、敵基地攻撃能力にかかわって安倍晋三元首相が“相手をせん滅するような打撃力を持つ”と語ったことに言及し、「この議論を拒否できるか」「敵基地攻撃能力は、ここに行きつくのではないか」と指摘。東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と日米中を含む8カ国でつくる東アジアサミット(EAS)が平和の枠組みとして発展しているとして、「いま日本政府がやるべきは東アジアサミットという平和の枠組みを活用・発展させ、東アジアを平和と協力の地域にするための憲法9条を生かした平和外交だ」と迫りました。
岸田首相は、安倍元首相の発言について「コメントは控える」と述べるだけで否定しませんでした。EASについては「重要な会議。活用していく」と述べました。
最後に志位氏は、沖縄の基地問題について、米軍新基地建設を普天間基地の返還の条件にしていることが、返還が実現しない根本的な原因だとして「普天間基地は無条件返還、破綻が明瞭になった辺野古新基地建設は中止を」と求めました。