2022年1月16日(日)
給食費・保育料・子ども医療費 無償
新基地交付金なしで可能 岸本候補、公開討論会で主張
名護市長選きょう告示
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沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設の是非を最大争点に、「日米両政府VS名護市民、沖縄県民」の大激戦となる名護市長選が16日告示(23日投票)されます。新基地建設ノーを掲げ立候補する市議の岸本ようへい氏(49)と、自公政権丸抱えの現職・渡具知武豊氏(60)による公開討論会が15日、市内で開かれました。(関連記事1)(関連記事2)
岸本氏は、基地問題について、元市長の父・建男氏が辺野古沿岸部を埋め立てる計画は「論外だ」「到底認められない」と述べていたことを指摘。その遺志を受け継ぎ、「新基地は認めない」と強調しました。
2019年の県民投票で名護市民の73%が新基地反対の民意を示したことや改良工事が不可能な軟弱地盤によって新基地の完成が見通せないことを示し、「オスプレイが飛び交うような新基地を造らせていいはずがない」と、明確に反対の意思を表明しました。
その上で、新基地建設の賛否を明らかにしない渡具知氏に対し、「市民のくらしや環境を守ることはできない」と批判。「問題の先送りではないか。私は、逃げずに言うべきことは言っていく。いま市政を変えなければならない」と訴えました。
渡具知氏は、「国と県の最終的な決着がつくまでは見守るほかない」と従来の発言を踏襲。一方、新基地受け入れの見返りである米軍再編交付金を受けなければ、給食費、保育料、子ども医療費の無償化は継続できないと述べ、新基地容認そのものの姿勢をあらわにしました。
岸本氏は、三つの無償化にかかる7・1億円のうち、前市政が再編交付金に頼らず、一部無償化を前進させた2・7億円の土台があると説明。残りの約4・5億円については「基金をつくり、再生可能エネルギーなどの導入による光熱費の削減とともに、新たな税収を期待できる市有地の活用で必ず無償化の継続はできます」と述べました。
討論会は名護青年会議所が主催し、ラジオ、ネットでライブ中継されました。渡具知氏は、前回市長選で討論会に一度も応じなかったため、初の討論会となりました。