2022年1月14日(金)
「敵基地攻撃」
ねらいは相手国を「殲滅」する「打撃力」
「戦争する国」づくり許さない
志位委員長が記者会見
日本共産党の志位和夫委員長は13日、国会内で記者会見し、岸田文雄首相は敵基地攻撃能力保有の検討の道を前のめりに走っていると批判し、安倍晋三元首相や折木良一元統合幕僚長の発言をもとに、この動きは相手国を「殲滅(せんめつ)」する「打撃力」を持つことにほかならないことを明らかにしました。
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志位氏は、この間の国会での追及に政府が、敵基地攻撃能力とは“相手国の領域まで踏み込んでいって、まずレーダーなどを破壊し、制空権を確保した上で、敵のミサイル基地をしらみつぶしに破壊していく一連のオペレーション”だと説明したと指摘。「つまり、1発ミサイルを撃つという話ではなく、全面攻撃を相手側に仕掛けるということだ」として、相手国の報復を招き「文字通り日本に戦火を呼び込む全面戦争になる」と述べ、断固反対を表明してきたと強調しました。
その上で、次の二つの重大な発言について指摘しました。
第1は、安倍元首相が「日本協議会・日本青年協議会結成五十周年記念大会」(昨年11月20日)で行った記念講演(『祖国と青年』2022年1月号所載)での発言です。講演で安倍氏は、「敵基地攻撃能力」という言葉は「あまり適切ではないのではないか」とし、同能力は「敵基地だけに限定せず、『抑止力』として打撃力を持つということ」だと強調。さらに「米国の場合は、ミサイル防衛によって米国本土は守るけれども、一方で反撃能力によって相手を殲滅します。この後者こそが抑止力なのです」と述べています。
安倍氏の発言について志位氏は「“いざというときには相手国を殲滅する全面戦争をやる”ということにほかならない」と指摘しました。
第2は、折木元統幕長の「『敵基地』より『反撃能力』を」と題する12日付「日経」のインタビューでの発言です。このなかで折木氏は「反撃能力とは相手の基地に限らず、指揮・統制施設や通信施設などへの攻撃も含む」と強調しています。
志位氏は「この『反撃能力』とは、安倍氏のいう『打撃力』と同じ意味だ」と指摘。相手国の「指揮・統制能力」の中枢への攻撃を含む敵基地攻撃能力の議論は結局、相手国を殲滅するような「打撃力」=「反撃能力」を持ち、相手国の指揮・統制能力の中枢をたたくなど全面戦争をやろうとの議論に行き着くとして、「そうなれば、日本への全面的な報復を招き、まさに日本に戦火を呼び込むとんでもないことになる」と批判しました。
その上で、「文字通り『戦争する国』につくり変えるとんでもない動きには断固反対を貫きたい」と表明。「東アジアを平和と協力の地域にしていくための東アジアサミット=EASの活用・強化など、9条を生かした平和外交によって、この地域と日本の平和と安定を確保していくことにこそ力を注ぐべきだ」と主張しました。