しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年1月11日(火)

辺野古新基地警備費 1日2224万円

総額609億円 住民運動監視・弾圧に巨額の税金

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う警備費用が、2014年の開始以来で約609億円にのぼったことが分かりました。防衛省沖縄防衛局が本紙の取材で明らかにしました。新基地建設に反対する県民の運動に対する監視・弾圧に巨額の税金がつぎこまれています。


写真

(写真)居並ぶ警備員の列(左側)の前で、新型コロナ感染症対策のため間隔を空けて座り込む人たち=2021年9月27日、沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前

地図

 同局によると、陸上と海上の警備業務をそれぞれ業者と契約。事実上の建設工事に着工した14年7月~21年12月28日までの契約金額は、総額で約609億円にのぼりました。陸上警備業務は11件で約305億円、海上警備業務は8件で約304億円。これらを単純に契約日数で割ると、1日あたり約2224万円に達します。

 これに加え、埋め立て工事契約の中でも警備業務を実施。防衛局は「工事全体の金額から警備業務に係る金額を正確に示すのは困難」としながら、警備業務に相当する金額は合計159億円だと明らかにしました。この金額を合わせると総額約768億円に達し、1日あたりの警備費はさらに膨れ上がります。

 警備業務は、工事車両が出入りする米軍キャンプ・シュワブゲート前や、土砂を搬出する本部港塩川地区(本部町)、名護市安和で行われています。

 防衛省は19年に、埋め立て工事の総工費約9300億円のうち警備費用は約1700億円だと試算しましたが、工事が長期化すれば警備費用もさらに膨張します。

 また、同県東村高江の米軍ヘリパッド(着陸帯)建設でも、住民監視のための警備が続いています。防衛局によると、16年7月以降の契約件数は8件で、約115億円です。この金額は東村の21年度当初予算の約3・5年分に相当します。

県民の理解得られぬ証し

 ヘリ基地反対協議会の抗議船船長の金井創さんの話 辺野古の海上では朝7時から1日10隻ほどの警備船が配置されていますが、制限水域から「出てください」とアナウンスするだけ。10隻も必要はなく、税金の無駄遣いです。2019年には残業代が支払われないなど警備員の労働条件も劣悪です。警備費が膨大なのは、県民の理解が得られていないことの裏返しに他なりません。新基地建設に湯水のように税金を使うのではなく、沖縄の経済や医療に回すべきです。

■契約中の警備業務(辺野古)
件名 契約期間
陸上 シュワブ(R2) 2020年9・1~22年1・31
本部地区(R2)(その2) 20年9・1~23年1・31
本部地区(R2)(その1) 20年10・1~23年1・31
シュワブ(R3) 21年8・19~23年12・28
海上 シュワブ(R元) 19年9・13~22年2・28
本部地区(R2) 20年12・8~23年1・31
シュワブ(R3) 21年8・19~23年12・28
その他 件名 警備業務相当額
シュワブ(H26)仮設工事 約78億円
シュワブ(H27)傾斜堤護岸新設工事
(2工区)
約2億円
シュワブ(H29)埋め立て工事(2工区) 約46億円
シュワブ(H29)埋め立て工事(3工区) 約33億円

pageup