2022年1月11日(火)
辺野古新基地警備費 1日2224万円
総額609億円 住民運動監視・弾圧に巨額の税金
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う警備費用が、2014年の開始以来で約609億円にのぼったことが分かりました。防衛省沖縄防衛局が本紙の取材で明らかにしました。新基地建設に反対する県民の運動に対する監視・弾圧に巨額の税金がつぎこまれています。
|
|
同局によると、陸上と海上の警備業務をそれぞれ業者と契約。事実上の建設工事に着工した14年7月~21年12月28日までの契約金額は、総額で約609億円にのぼりました。陸上警備業務は11件で約305億円、海上警備業務は8件で約304億円。これらを単純に契約日数で割ると、1日あたり約2224万円に達します。
これに加え、埋め立て工事契約の中でも警備業務を実施。防衛局は「工事全体の金額から警備業務に係る金額を正確に示すのは困難」としながら、警備業務に相当する金額は合計159億円だと明らかにしました。この金額を合わせると総額約768億円に達し、1日あたりの警備費はさらに膨れ上がります。
警備業務は、工事車両が出入りする米軍キャンプ・シュワブゲート前や、土砂を搬出する本部港塩川地区(本部町)、名護市安和で行われています。
防衛省は19年に、埋め立て工事の総工費約9300億円のうち警備費用は約1700億円だと試算しましたが、工事が長期化すれば警備費用もさらに膨張します。
また、同県東村高江の米軍ヘリパッド(着陸帯)建設でも、住民監視のための警備が続いています。防衛局によると、16年7月以降の契約件数は8件で、約115億円です。この金額は東村の21年度当初予算の約3・5年分に相当します。
県民の理解得られぬ証し
ヘリ基地反対協議会の抗議船船長の金井創さんの話 辺野古の海上では朝7時から1日10隻ほどの警備船が配置されていますが、制限水域から「出てください」とアナウンスするだけ。10隻も必要はなく、税金の無駄遣いです。2019年には残業代が支払われないなど警備員の労働条件も劣悪です。警備費が膨大なのは、県民の理解が得られていないことの裏返しに他なりません。新基地建設に湯水のように税金を使うのではなく、沖縄の経済や医療に回すべきです。
件名 | 契約期間 | ||
陸上 | シュワブ(R2) | 2020年9・1~22年1・31 | |
本部地区(R2)(その2) | 20年9・1~23年1・31 | ||
本部地区(R2)(その1) | 20年10・1~23年1・31 | ||
シュワブ(R3) | 21年8・19~23年12・28 | ||
海上 | シュワブ(R元) | 19年9・13~22年2・28 | |
本部地区(R2) | 20年12・8~23年1・31 | ||
シュワブ(R3) | 21年8・19~23年12・28 | ||
その他 | 件名 | 警備業務相当額 | |
シュワブ(H26)仮設工事 | 約78億円 | ||
シュワブ(H27)傾斜堤護岸新設工事 (2工区) |
約2億円 | ||
シュワブ(H29)埋め立て工事(2工区) | 約46億円 | ||
シュワブ(H29)埋め立て工事(3工区) | 約33億円 |