2022年1月8日(土)
3県にまん延防止適用
沖縄・山口・広島 政府の責任重大
政府は7日、新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・岸田文雄首相)を首相官邸で開き、感染が急拡大している沖縄、山口、広島3県に特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置」を適用すると決定しました。期間は9日から31日まで。重点措置の適用は昨年9月以来で、岸田政権下で初めてです。
政府は、オミクロン株の感染拡大のスピードを踏まえコロナ対策の基本的対処方針を変更。感染対策の認証を受けた飲食店に対しても、知事の判断で酒類の提供停止を選択可能としました。また行動制限の緩和に際し、ワクチン接種証明などを活用する「ワクチン・検査パッケージ」に加え、知事の判断で全員検査を条件とすることも可能にしました。
対象となる沖縄、山口両県では、在日米軍基地でクラスター(感染者集団)が発生し、周辺地域への波及が指摘されています。日米地位協定により、米軍は検疫法などの日本の国内法が適用されません。これまで米軍に関わる水際対策については、来日する全米軍関係者が出国前のPCR検査が免除され、入国後も基地内を自由に動き回れるなど、ずさんな運用が発覚。水際対策に米軍が大穴をあけている事態に怒りの声が広がっています。同日の衆院議院運営委員会で日本共産党の赤嶺政賢議員は「感染拡大は米軍基地から始まっている。その対策を取れない政府の責任は重大だ」と厳しく批判しました。
政府の対応の遅れも指摘されています。岸田首相は重症化リスクの高い高齢者などを中心に、3回目のワクチン接種を前倒しすると強調していますが、具体的な見通しを示していません。自治体への負担集中などの課題もあります。