2021年12月31日(金)
「報道の自由への衝撃」
香港「立場新聞」弾圧 記者協会が声明
【北京=小林拓也】29日に香港のインターネットメディア「立場新聞」の幹部らが逮捕され、運営を停止したことに対し、香港記者協会は同日夜の声明で「警察による一連の逮捕は、冬のセミのように黙らせる効果となり、香港基本法が保障した報道の自由に対し、多大な衝撃をもたらした」と批判しました。
民主派政党・民主党の羅健熙(ら・けんき)主席は香港メディアに「警察による捜査と逮捕は理解できない」と懸念を表明。30日付の香港紙・明報は「メディアの仕事はますます困難になり、香港メディアの監督機能は弱くなるだろう」とした専門家の見解を紹介しました。
台湾の蔡英文(さい・えいぶん)総統は同日、フェイスブックで「中国共産党はまたもや『一国二制度』の約束を一方的に破り、香港の言論の自由に再び打撃を加えた」と非難しました。
欧州連合(EU)のスタノ報道官も同日、ツイッターで「立場新聞への捜査と逮捕は、報道の自由がさらに後退したことを示した。人権の尊重と基本的自由は香港基本法と『一国二制度』の核心だ。報道の自由はこれらの人権と自由の重要なカギだ」と強調しました。