2021年12月12日(日)
入管正し外国人守れ
「市民連合」を結成
都内 改悪法案提出させない
国内で暮らす外国人や難民に対する入管の非人道的な体制の転換を求める全国の団体や個人が11日、「入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合」を結成しました。東京都内で開かれた結成大会には、オンラインを含めて約150人が参加し、運動を広げ発展させていく決意を語りました。
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名古屋入管で死亡したスリランカ人女性・ウィシュマ・サンダマリさんの妹、ポールニマさんがオンラインで「今後このような悲しく苦しいことが繰り返されないことと、外国人の人権を守ってくれるようお願いします」と訴えました。
代表に選出された指宿(いぶすき)昭一弁護士は、入管体制の背景には日本の侵略戦争の歴史があると指摘。植民地を求めてアジアの人々を支配し、差別・抑圧したことが今の体制に引き継がれていると述べ、歴史をきちんと総括するべきだと強調しました。
政府は、8月にウィシュマさん事件を入管の医療体制の不備に矮小(わいしょう)化する調査報告書を公表。さらに、市民の運動の力で廃案に追い込んだ入管法改悪法案を、来年再び提出しようとしています。
大阪入管で面会支援などをする「TRY」代表の前堂亜祐美さんが事務局長に就任。入管は何も変わっておらず、外国人が苦しんでいる現状があると指摘し、「ウィシュマさん事件の真相解明と再発防止なくして、改悪法の提出を許すことはできない」と力を込めました。
仮放免者の会のバングラデシュ人のカシム・ウリンさんは、入管に3回収容され、2010年から仮放免。現在は難民申請中です。「保険もなく生活も苦しい。難民として認められず不安がある」と語り、支援の協力を呼びかけました。
韓国籍で在日3世の司法修習生の男性(34)=東京都中野区=は将来人権弁護士になりたいといいます。自身も差別を受けた経験があり「反差別、反ヘイトの運動を広げていきたい」と話しました。
日本共産党の山添拓参院議員をはじめ野党議員が連帯のメッセージを送りました。