2021年12月7日(火)
大阪入管が収容者移送
難民認定の裁判中に茨城へ
代理人弁護士「訴訟妨害だ」
大阪出入国在留管理局(大阪市住之江区)に2014年から7年間収容されるアフリカ出身の男性が、大阪地裁で難民不認定処分の取り消しを求める裁判中にもかかわらず、6日に茨城県牛久市の東日本入国管理センターに移送されることが男性の代理人弁護士を通じてわかりました。
代理人の上林惠理子弁護士によると、移送に関して入管側からの連絡は一切なく、男性が収容施設内から電話で上林氏に伝えたことで発覚しました。男性は本人尋問のために大阪地裁への出廷を希望していましたが、茨城県へ移送されることで、今後は弁護士との面会も困難になります。
上林氏は「入管の意図がどうであれ、訴訟中に代理人との協議もなく遠方に収容場所を移すことは、訴訟妨害としか受け止められない。理由や必要性を明らかにすべきです。移送による肉体的・精神的負担も心配です」と話しました。
5日夜の大阪入管前には市民約40人が集まり「あまりにも突然」「7年間の収容で心も体も限界の男性を追いつめるな」「在留資格を」と抗議しました。
大阪入管は本紙の取材に「個別の件についての回答は差し控えたい」と答えました。