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2021年12月5日(日)

オミクロン株急拡大

アフリカにワクチン支援を

BS番組 小池書記局長が主張

 日本共産党の小池晃書記局長は3日夜のBS―TBS「報道1930」に出演し、自民党の武見敬三参院議員らと、新型コロナウイルス対策について議論を交わしました。

 小池氏は、アフリカや欧州などで急拡大している新たな変異株「オミクロン株」について、「いまやるべきことは最悪の事態を想定して、検査と医療の体制を強化すること。すでに日本でも市中感染が始まっている想定で、オミクロン株を早く見つけ出すゲノム解析を徹底し、可能な限り全例やるべきだ」と提起。武見氏も「間違いなくできる限りのゲノム解析をやるべきだ」と応じました。

接種体制急げ

 番組では、オミクロン株が確認されたイギリスで、3回目のワクチン接種を来年1月末まで18歳以上のすべての人に行う方針を打ち出したことを紹介しました。小池氏は、「ファイザー社のワクチン効果は6カ月で低下するとされており、日本の3回目接種が原則8カ月後というのは、科学的な数字ではない。まさに供給の都合だ。イギリスでは1億1400万回分の供給をファイザーやモデルナと追加契約をした。国が本気になって、契約を進めて国民の不安に応えるという姿勢を日本政府も学ぶべきだ」と指摘。「地域に根ざした開業医や医療機関のネットワークが、日本の優れた点。政府はこれらを活用して、安全性を確保して、3回目の接種体制を急いでつくるべきだ」と主張しました。

 途上国でワクチン接種をどう進めていくのか―。番組では、アフリカのワクチン接種が0~20%程度しか進んでいない状況を解説。病院が近隣にない地域では、ワクチン接種に行くための交通費すら払えない経済的な理由から、接種が進まない困難さがあるなどの状況が説明されました。

 コメンテーターのパトリック・ハーラン氏は、アフリカで新たな変異株が生まれやすいのは、接種率の低さからだけではなく、貧困や病気などの理由から個人の持つ免疫力が平均的に低い地域の影響とする米国専門機関の研究に触れ、「先進国での3回目のブースター接種よりも、1回目、2回目のワクチン接種をアフリカで進めることが、われわれを守る対策として有効なのではないか」と主張。キャスターの松原耕二氏は、11月29日にWHO(世界保健機関)とユニセフが発表した声明で「ワクチンの寄付には注射器、生理食塩水、輸送費などが含まれていない。接種を進めるためには供給とともにすべての付属品が必要」だとしていると紹介。「コロナを終わらせるには、途上国のワクチン接種を進めることが必要ではないか」と疑問を呈しました。

日本にも責任

 小池氏は、WHOやユニセフなどの国際機関が声明を出しており、これらに応える必要があるとした上で、アフリカの医療体制の脆弱(ぜいじゃく)性や貧困問題について触れ、「南アフリカだけではなく、サハラ以南などはもっと貧困で、十分な医療システムができていない。そういう状況をつくり出してきた責任は、日本を含めた資本主義国にもある」と発言。「アフリカの問題は、日本の問題だ。アフリカでのワクチン接種を支援することは、日本国民の命を守ることにもなる。政府は国民にしっかり説明し、理解を得なければならないし、いまの対応ではきわめて不十分だ」と指摘しました。

 番組終盤、これまでの政府のコロナ対策について総括的コメントを求められた小池氏は、「率直に言って日本政府の対応には、かなり問題がある。検査体制の不十分さ、医療体制をしっかりつくるという点での問題点。そして、国民に対して正確な情報を伝えていくことができていない。ここは改めてほしい」と求めました。武見氏は「コロナ対策について総括し、課題がどこにあるのか。改善する戦略を立てることをやるべきだった」と応じました。


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