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2021年11月30日(火)

外国人医療 支援を

コロナで帰国できず持病薬もなし

在留資格なく保険認めてもらえず

民医連 経営圧迫「国が保障して」

 全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)は29日、外国人医療費の公的支援制度が機能しておらず、医療機関側の経営が圧迫されているという調査結果を東京都内で発表しました。


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(写真)記者会見をする全日本民医連の人たち=29日、東京都内

 難民認定申請中に仮放免となった外国人は健康保険や生活保護など、あらゆる社会保障制度から外されています。就労も禁止され、医療費を払えず、必要な医療にかかれないことも少なくありません。

 調査によると、医療機関が無料または低額料金で低所得者を対象に診療する「無料低額診療事業」で対応したのは133件でした。

 調査期間は2019年4月~20年3月。全日本民医連加盟事業所160カ所が回答。

 全日本民医連は同日、▽日本にいるすべての人への医療を国の責任で保障する▽外国人未払い医療費補てん事業を全国の医療機関が利用できるようにする▽国連勧告を受け入れ難民認定審査のあり方を見直す―ことなどを求めて、国に要請書を提出しました。

 山本淑子事務局次長は会見で、「民医連は経済的な理由で医療を受けられないことが起こらないよう無料低額診療事業に積極的に取り組んできた。在留資格の有無にかかわらず、人権保障の立場から公的に医療を保障してほしい」と求めました。

 埼玉協同病院(埼玉県川口市)の社会福祉士の男性は、「仮放免などの外国人患者の多くは、救急搬送や無料低額診療事業を頼りに、支援団体から紹介されることが多い」と実態を語りました。

 新型コロナ感染症の影響で帰国できず持病の薬がなくなり同事業を適用した事例を、中野共立病院(東京都中野区)の社会福祉士の男性が報告。「都から未払い医療費の補てん事業を使うよう指導があったが、緊急性の高いもの以外は使えなかった」といいます。

 難民認定申請中のイラン人は、「在留資格がないため就労の権利や保険加入を認めてもらえない。お金もなく、もし命にかかわる病気になっても治療ができない現実がある」と告発。「日本を選んで来た私たち外国人に在留資格を与えてほしい」と訴えました。


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