2021年11月30日(火)
国の補償へ署名提出
学生ら 旧優生保護法考える集会
旧優生保護法(1948~96年)のもと、障害があることを理由にして不妊手術を強制されたとして被害者が各地で国家賠償を求め、たたかっています。同法の問題や障害者差別を問う院内集会が29日、開かれました。オンラインで北海道や宮城、静岡、大阪、兵庫の各道府県から、原告や支援者らが参加。同法の被害者に全面的な謝罪と補償をするよう国に求める国会請願署名(1万6303人)を提出しました。
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主催は、東北大学の学生を中心とした「強制不妊訴訟不当裁判にともに立ち向かうプロジェクト」。学生らは、同法を違憲と判断しつつも、賠償を求める原告の訴えを退けた2019年の仙台地裁判決を傍聴しました。
これまで各地裁で出た判決は、同法の違憲性を認めた場合も、不法行為から20年で賠償請求権が消滅する「除斥期間」を適用し、原告側の請求を棄却しています。
集会では、原告が過去に受けさせられた手術が、同法によるものだったことを長年知らされてこなかったなどの実態を報告。支援者らは「国は謝罪もしないし、責任も取らないのか」「優生思想をこの法で強化してきた。優生思想でゆがんだ社会の転換が必要だ」などと発言しました。
全国優生保護法被害弁護団共同代表の新里宏二弁護士は「大きな動き、支援の力、こんなことを許してはならないという世論が盛り上がったときに私たちは勝ち切れる」と指摘ました。
同プロジェクトのメンバーは「日々の抑圧や差別、被害と命がけでたたかっている人々と連帯できるかが問われています。おかしいと思うみんなで声をあげ、社会を変えていきましょう」と呼びかけました。