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2021年11月12日(金)

COP26inグラスゴー

閣僚級会合 排出量取引ルール 焦点

途上国への資金支援も

 【グラスゴー=桑野白馬】英北部グラスゴーで開かれている国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)は9日から閣僚級会合が始まりました。議論の焦点は、二酸化炭素(CO2)の排出量取引をめぐるルール策定や、先進国から途上国への資金支援のあり方です。

 2015年のCOP21で策定されたパリ協定6条には、先進国が、途上国で脱炭素につながる技術支援や資金援助を行った分のCO2排出削減量を、自国分の削減として計上する制度が定められました。ただ、ルール作りをめぐって先進国と途上国が対立。前回のCOP25でも合意できずに先送りされています。

 ブラジルや中国は、20年以上前に策定された京都議定書に基づく排出削減量を、パリ協定の下でも活用できるようにすべきだと主張。先進国側は、現在の排出削減の努力を弱める「抜け穴」につながるとして反対しています。

 支援した国と、支援を受けた国で排出削減量を二重計上しないようにするルール作りも行われています。

 25年以降の途上国への資金支援のあり方についても議論されます。ただ、09年に先進国が約束した途上国への資金支援目標が達成されていません。20年までに年間1000億ドル(約11兆円)とした約束が達成されるのは、23年と見られています。途上国から「失望した」との声も聞かれ、交渉の大きな障害となっています。

 途上国は、温暖化による悪影響で起きている損失と被害についても補償を求めています。ただ、米国をはじめ先進国側は応じておらず、交渉がまとまるかどうかは予断を許しません。

 英国のジョンソン首相は10日、記者会見で、世界の首脳らに「交渉担当者に電話をかけ、自分たちができること、すべきことを実行するよう求めれば、1・5度目標を達成できる」と呼びかけました。


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