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2021年11月11日(木)

獄中の記者 体調悪化

中国・武漢 コロナ状況取材

家族・国際団体 解放求める

無罪主張 ハンスト続行

 【北京=小林拓也】中国湖北省武漢市で、新型コロナウイルスの感染状況を取材して発信し、当局に逮捕され実刑判決を受けて獄中にいる中国の市民記者、張展氏の体調が悪化しています。家族や国際人権団体が人道的観点から解放するよう求めています。

 張氏は昨年5月に武漢市内で逮捕され、12月に「社会秩序騒乱」罪で懲役4年の判決を受けました。張氏は一貫して無罪を主張しており、逮捕された時点からハンガーストライキを続けています。

 「張展は身長177センチだが、いまの体重は40キロにも満たない。彼女は長くは生きられないだろう。近づいてくる冬を越せるかもわからない」。張展氏の兄の張挙氏は先月30日にツイッターにこう投稿し、国際社会が張氏の状況に関心を持つよう訴えました。

 これを受け、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは今月4日、張氏をすぐに釈放し、適切な医療を受けさせるよう求めました。国際NGO「国境なき記者団」は8日、張氏に「勇気賞」を与え、「武漢で何が起きているのか誰もわからないときに、生命の危険を顧みず現地に向かった。彼女は英雄だ」と指摘。「中国当局は張氏の罪を取り消し、人道的観点から解放すべきだ」と呼び掛けました。

 米国務省のプライス報道官は8日の記者会見で、張氏の無条件の即時解放を中国政府に要求。張氏の健康状態について「深く懸念している」と表明しました。

 元弁護士の張氏は昨年2月に武漢に入り取材を開始。遺族への当局の圧力や、混乱する病院の状況などをインターネットで発信しました。裁判の際、中国検察当局は「張氏がネットで大量の虚偽情報を振りまき、海外メディアを通じて新型コロナの状況を悪意を持って広めた」などと主張しました。


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