2021年11月3日(水)
COP26inグラスゴー
「時間ない。今すぐ行動を」
首脳級会合始まる
【グラスゴー=桑野白馬】英グラスゴーで開かれている国連の気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で1日、首脳級会合が始まりました。開会に当たり、議長国を務める英国のジョンソン首相は、気候変動に対処するための「時間が無くなってきている。今すぐ行動しなくてはならない」と呼びかけました。
ジョンソン氏は、石炭火力発電の廃止や、途上国への支援資金提供の約束に言及。具体的な行動が伴わなければ、空の約束になるとして「世界の怒りと焦りは抑えられなくなるだろう」と強調しました。
国連のグテレス事務総長は、「わたしたちは厳しい選択を迫られている。化石燃料を止めるか、それとも化石燃料がわたしたちを止めるかだ」と強調。「自然をトイレのように扱うのはもうたくさんだ」と強調し、各国に早急な行動を要請。会議が失敗に終わった場合、現在5年ごとの各国の削減目標提出を毎年行う必要があると警告しました。
開会に次いで各国首脳が演説。米国のバイデン大統領は、「未来を守るための野心と革新を共有する10年の始まりでなければならない」と強調。スペインのサンチェス首相は、脱石炭火力発電の必要性を強調し「この4年間で90%の石炭火力発電を削減した」と発言。2025年までに、途上国を支援する「緑の気候基金」に従来の50%増の、年間13・5億ユーロ(約1800億円)を拠出すると表明しました。
また同日、100人以上の各国首脳が、2030年までに森林破壊や土地の劣化を終わらせるとする宣言に合意しました。