2021年11月1日(月)
“生きた”社会保障に
全国心臓病の子どもを守る会 制度の課題議論
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先天性心疾患を持つ患者や家族らでつくる「全国心臓病の子どもを守る会」は31日、第59回全国大会をオンラインで開催し、講演やパネル討論を通して患者・障害者の命と生活を守る社会保障制度の複雑性や年齢で途切れてしまう課題などを議論し合いました。
神永芳子会長があいさつし、社会保障制度は長い年月をかけて障害者や患者団体などが国や自治体に訴え、社会に働きかけてきた運動が実を結んだものと強調。「制度が整っても価値を知り上手に利用しなければ生きた制度にならない」と語りました。
先天性心疾患の息子を育ててきた青木美千代副会長が講演し「制度が複雑で分かりにくく申請しないと活用されないままになる。年齢で制度が途切れてしまい、病気や障害は変わらないのに生涯使える施策がない。成人以降の医療費、福祉、就労問題が重要な課題だ」と指摘しました。
パネル討論では、循環器が専門の医師や社会保険労務士、先天性心疾患の当事者やその親らが障害者手帳の利用や障害年金の課題、心臓などに障害がある患者の社会保障のあり方などについて語り合いました。
採択された大会宣言では、長期にわたる新型コロナウイルス感染症の拡大で「国が示す『自己責任』を押しつける社会保障では、救われない人たちがたくさんいるという事実を知らしめた」とし「病気や障害があっても、すべての人が等しく誇りを持って安心して生きていける社会を目指す」と述べています。