2021年10月28日(木)
横一線の大激戦 あかみねさんの「宝の議席」必ず押し上げを
那覇街頭演説 志位委員長の訴え
日本共産党の志位和夫委員長が27日、那覇市で行った街頭演説での訴えの要旨は次の通りです。
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沖縄のみなさん、こんにちは(「こんにちは」の声)。日本共産党の志位和夫です。(拍手)
最終盤に入りました。大激戦の沖縄の選挙戦、1区・あかみね政賢さん、2区・新垣クニオさん、3区・ヤラともひろさん、4区・金城トオルさん、「オール沖縄」の4人必勝のお願いにあがりました。(拍手、指笛)
「オール沖縄」の力で政権交代、新しい政権をつくろう
この9年間の安倍・菅政権は、日本の政治をすっかり悪くしてしまいました。貧困と格差が広がりました。沖縄県民の総意をないがしろにする強権政治がきわまりました。「森友、加計、桜」――国政私物化疑惑を何一つ究明していないじゃないですか。そしてコロナ失政で多くの方々の命が損なわれた。
こういう政治を反省なく引き継ぐのが岸田新政権です。その姿は、誰が見てもあんまりだという人を自民党幹事長に据えたことに表れています(「そうだ」の声、拍手)。みなさん、自民、公明の政権は、もう終わりにしようじゃありませんか。(大きな拍手)
「オール沖縄」の力、野党共闘の力で、政権交代を実現し、みんなの声、国民の声、沖縄の声が生きる、新しい政権をつくろうではありませんか。(大きな拍手、指笛)
瀬長さん、古堅さんを引き継ぐ不屈の政治家
あかみね政賢さんは7期21年、「沖縄の心」を国会に届け続けてきました。新基地をつくるなという論戦だけでも、160回以上とりくんできました。
あかみねさんは優しい政治家です。同時に、どんな困難があっても屈しない、不屈の政治家ではないでしょうか(拍手)。私たちの大先輩に瀬長亀次郎さんがいます。私の尊敬する大先輩です。古堅実吉さん、そして、あかみね政賢さんに、不屈さが引き継がれているんじゃないでしょうか。(拍手)
沖縄にとってだけではありません。日本の政治にとっても、絶対に失うわけにはいかない宝の議席が、あかみね政賢さんの議席です。
抜きつ抜かれつの横一線の大接戦です。みなさんのお力で、党派を超えた「オール沖縄」のお力で、必ず押し上げてください。(大きな拍手、指笛)
新型コロナから国民の命を真剣に守る政治を
最終盤にあたり、沖縄県民のみなさんの、五つの切実な願いを、あかみね政賢さんにたくしてほしい。このことをお訴えしたいと思います。
第1は、新型コロナから国民の命を真剣に守る政治を――この願いです。
もう二度と感染爆発、医療崩壊を起こしてはなりません。そのために、政府のコロナ対応を三つの点であらためる必要があります。
第一は、科学を無視した対応をあらためることです。政府は「PCR検査を広げると医療崩壊が起こる」、こういう内部文書をばらまいて検査を抑えました。しかし検査を怠った結果が、繰り返しの感染爆発であり、医療崩壊じゃないですか。
新規感染者がこれだけ減っているわけですから、こういうときこそ、ワクチンと一体に検査が必要です(拍手)。「いつでも、誰でも、何度でも、無料で」PCR検査が受けられる態勢を、国の責任でつくれ、このことを求めたいと思います。(拍手、指笛)
第二は、医療切り捨ての政治をあらためることです。地域医療構想の名で、全国20万もの急性期などの病床を削っていく計画が進められています。すでに20年度に3400床削った。21年度で1万削ろうとしています。一方で病床確保を求めながら、病床を削っている。こんな間違った政治はないじゃありませんか。
しかも、病床を削った病院に補助金を出す、その財源が消費税なのです。話が違うじゃないですか(「そうだ!」の声)。消費税をとるとき何て言いましたか。「社会保障のため」と言ったじゃないですか。ところが社会保障を削るため、病院のベッドを削るために、消費税を使う。こんな間違った政治はやめさせようじゃありませんか。(拍手)
そして第三は、十分な補償を行うことです。持続化給付金、家賃支援給付金、第2弾を支給させようではありませんか。(拍手)
感染症法の改正が問題になっていますが、罰則を強めて国民のみなさんを脅しつけるようなやり方は反対です(「そうだ」の声)。法改正をやるというのなら、「自粛とセットで補償する」、この考え方を法律に書き込むべきではないでしょうか。(拍手)
政権交代で新基地建設にピリオドを打とう
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第2に、この選挙の最大の争点――辺野古の新基地は中止する、普天間基地は閉鎖・撤去する、「沖縄建白書」に込められた願い、この1票はどうか、あかみねさんにたくしてください。(拍手)
岸田首相は就任早々、新基地建設を続けると言い放っています。しかし、新基地建設は、すっかり行き詰まり、破綻しているじゃないですか。
超軟弱地盤が明らかになりました。政府の試算でも工事に12年はかかるといいますが、実際には、何年かかるか誰にもわかりません。辺野古新基地をつくる唯一の口実――「普天間基地の早期返還」、これはもう成り立たなくなっています。そして、こともあろうに、戦没者の遺骨が眠る南部の土砂を使って埋め立てをやるという。死者を冒涜(ぼうとく)する暴挙は、絶対に許すわけにはいきません。(拍手、「そうだ」の声)
みなさん。基地問題の解決の一番の道は、政権交代です(拍手)。沖縄県民の声を聞かないのなら、政権を代えましょう(拍手)。沖縄県民の民意をないがしろにする自公政権を退場させましょう。(拍手)
野党は、共通政策の中に「辺野古新基地建設は中止する」と、はっきり書き込みました(拍手)。野党みんなの共通の政策になりました。新しい政権をつくって、辺野古新基地建設にピリオドをうち、普天間基地返還への道を開こうではありませんか。(拍手)
暮らし第一で、沖縄経済・日本経済を良くしていこう
第3は、暮らしの問題です。暮らし第一で、沖縄経済・日本経済良くしていこうという願いを、あかみねさんにたくしていただきたい。
沖縄経済を、どうやって良くしていくか。私は「二つの大原則」が大切だと思っています。
一つは、翁長前知事が繰り返し言われたように「米軍基地こそ、沖縄経済発展の最大の阻害要因である」。基地のない沖縄に進んでこそ沖縄経済の繁栄の道が開かれる。これが大原則ではないでしょうか。(拍手)
もう一つの大原則は、国の経済政策を大本から切り替えてこそ、沖縄の経済を良くする道が、開かれるということであります。
今度の選挙で岸田首相は、「成長と分配の好循環」といっていますね。この議論の一番の問題は、分配の中身がゆがんでいることにあります。アベノミクスの9年間で、日本の大富豪は資産を4倍にしました。大企業は内部留保を133兆円も積み増しました。ところが働く人の実質賃金は22万円も減った。大金持ちと大企業が分配を独り占めにしてしまい、庶民のみなさんに分配が回らない。分配の不公平こそ、一番の問題ではないでしょうか。(拍手、指笛)
アベノミクスの理屈は「トリクルダウン」というものです。大金持ちと大企業がもうければ、庶民に回ってくるというものですが、待てども、待てども「トリクルダウン」は起こりませんでした。だったら、「ボトムアップ」――庶民の暮らしの底上げで経済を良くしていく道に切り替えようではありませんか。(拍手)
中小企業への十分な支援とセットで最低賃金――今、沖縄は時給820円です――これを1500円まで引き上げようじゃないですか。(拍手)
派遣、アルバイト、パートなど、「使い捨て」の労働をあらためて、人間らしく働くルールをつくろうではありませんか。
高すぎる学費、半分にしましょう。入学金はゼロにしようじゃありませんか。(拍手)
富裕層と大企業に応分の負担を求めて、消費税は5%に減税しようではありませんか。(拍手)
そして沖縄の特性を生かした農林水産業、観光業、地場産業をしっかり支援する政治をつくろうではありませんか。
暮らし第一で経済を良くする、この道への1票は、どうか、あかみねさんにたくしてください。(大きな拍手)
待ったなしの緊急課題――気候危機を本気で打開する政治を
第4は、地球の問題です。気候危機を本気で打開する政治をつくろうという願いを、あかみねさんにたくしてください。
この問題は、待ったなしの緊急課題です。沖縄県の石垣島と西表島の間に広がる日本最大のサンゴ礁――「石西礁湖」があります。そこでサンゴが死滅し、白化が起こっています。みなさん、一刻の猶予もありません。
ところが、岸田内閣が決めた「エネルギー基本計画」を読んで驚きました。2030年の石炭火力発電所の比率が19%とある。石炭火力はCO2をひどくだしますから、国連も2030年までにゼロにと先進国に求めている。ところが19%。九つもの石炭火力を新増設しようというのです。こんな政治に地球の未来を任せられないではありませんか。石炭火力は30年までにゼロにすべきです(拍手)。原発はただちにゼロにしようではありませんか。(大きな拍手、指笛)
私たちは「気候危機打開の2030戦略」を提案しています。大規模な省エネと再生可能エネルギーで、30年度までCO2を最大60%削っていこう。これやりますと雇用が254万人増え、GDPも205兆円増えます。この希望ある道を一緒にすすもうではありませんか。(拍手)
ジェンダー平等の日本――政治を変えることが必要
そして第5は、ジェンダー平等の日本への願いです。
この問題、総選挙の大争点になってまいりました。先日のNHKの党首討論でもこの問題が大きなテーマになりました。
男女の賃金格差が、日本は特にひどい。女性は男性の55%。生涯賃金で1億円近い格差があります。解決の方法ははっきりしています。企業が格差を把握し公表することを義務付け、「見える」ようにすることです。そう岸田首相に提案しますと、「情報公開の対象にいたしません」という(驚きの声)。「見える」ようにするどころか、格差を隠す。こんな政権ではジェンダー平等は実現できません。政権交代が必要です。
選択的夫婦別姓でも、日本記者クラブの党首討論会で一人だけ、賛成の手を挙げなかったのが自民党の岸田首相でした。2年前、当時の安倍首相と、2人続けて背を向けた。
ジェンダー平等を実現するためには、政治を変えなくてはなりません。誰もが自分らしく生きられる社会、尊厳をもって生きられる社会を実現しよう願いを、「オール沖縄」に、あかみねさんにたくしてください。(拍手)
市民と野党の共闘の発祥の地・沖縄から政権交代を
沖縄は、市民と野党の共闘の発祥の地です。2014年、「オール沖縄」が連続勝利を勝ち取りました。名護の市長選挙での稲嶺進さんの勝利、県知事選挙での翁長雄志さんの勝利、そして総選挙でも4人全員の勝利。「オール沖縄」が力強く動きだしたのが2014年でした。
そのとき、翁長さんと初めて会ったときに、翁長さんが私に言った言葉が忘れられません。「これまで沖縄は基地を真ん中に置いて、保守と革新が対立していました。それで一番喜んだのが日米両政府です。これからは、保守は革新に敬意を持ち、革新は保守に敬意を持ち、手をたずさえて基地問題を解決していきましょう」。
私は、この言葉を聞きまして、本土も沖縄のようにたたかわなくてはいけない。このように強く感じました。
そして2015年、安保法制廃止の国民連合政府をつくろう、そのために野党共闘をやろう、こういう方針を本土でも始めたのが6年前でした。
それが今度の総選挙では、立派な共通政策、政権協力で合意し、選挙協力も具体化してたたかっています。「3点セット」そろって野党がたたかっていることを、みなさんにご報告したいと思います。(拍手)
全国で213の小選挙区で野党が一本化しました。すべてで勝てるように全力をつくします。とくに沖縄では1区、2区、3区、4区、全部で「オール沖縄」を必ず勝利させようではありませんか。(拍手、指笛)
市民と野党の共闘の発祥の地・沖縄から、あかみね政賢さんを何としても大激戦の「3日攻防」で、勝たせていただき、沖縄から政権交代をやろうじゃないですか。以上で私の訴えとさせていただきます。ありがとうございました。(大きな拍手、歓声と指笛)