2021年10月28日(木)
アベノマスク 3割お蔵
118億円分 保管費毎月7500万円
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新型コロナウイルス対策の“目玉”として当時の安倍晋三首相が強力に推し進めた、通称アベノマスクと呼ばれる布マスクが、今年3月末時点で8272万枚の在庫があったことが27日、厚生労働省への取材で分かりました。政府調達量の約3割に当たります。在庫分を平均単価で計算すると総額約118億円相当になります。
安倍自公政権は昨年、コロナ対策として介護施設や保育所などに向けた布マスクを約1億5千万枚、一般家庭向け布マスクを約1億3千万枚購入しました。金額は合計約400億円です。
厚労省によると、在庫のほとんどは介護施設などへの布マスクです。これらの布マスクの平均単価は約143円。これをもとに計算すると在庫総額は約118億円に相当するとみられます。
保管にも費用がかかっており、昨年8月から今年3月までに約6億円に上ります。1カ月あたり約7500万円になる計算です。
アベノマスクは、配布当初から、異物混入の問題や、ウイルスを防ぐには不十分などという指摘が相次いでいました。受注企業は入札を経ない随意契約で、マスク事業の実績もない企業も含まれていました。
磯崎仁彦官房副長官は27日の会見で在庫の活用方法について「今後、必要に応じて検討していく」と述べるにとどめました。厚労省は介護施設などに定期的に希望を募るなどと説明していますが、解決のめどはついていない状況です。