2021年10月27日(水)
主張
辺野古新基地建設
自公政権倒し中止実現しよう
総選挙(31日投票)は、沖縄県の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる同県名護市辺野古の米軍新基地建設の是非が大きな争点の一つです。新基地建設は、沖縄の民意に反し、過重な基地負担を今後も県民に押し付けようとするものです。国民の暮らしに冷酷で、民主主義も、法治主義も、地方自治もことごとく踏みにじってきた自民党・公明党政権の強権的な本性をあらわにしています。大激戦となっている沖縄の四つの小選挙区で「オール沖縄」候補の勝利をなんとしても勝ち取り、野党共闘で自公政権を倒し、新基地建設を中止させることが必要です。
卑劣な手法に負けない
新基地建設問題をめぐり、岸田文雄首相は「普天間基地の危険性除去」のため「辺野古移設が唯一の解決策」と繰り返しています。沖縄の小選挙区の自民党候補4人も全く同じ立場です。
しかし、新基地建設の狙いは単なる「移設」ではありません。完成すれば、2本の滑走路や軍港施設、弾薬搭載区域など、普天間基地にはない機能を持った最新鋭の基地になります。中国との紛争をにらむ米海兵隊の新たな出撃拠点づくりです。辺野古の豊かな自然環境を破壊し、県民を事故や騒音などの被害にさらし続け、新たな基地の危険を生み出すものです。
自公政権の圧力に屈し、仲井真弘多元知事が新基地建設のための辺野古埋め立てを承認した2013年以来、県民は、知事選や国政選挙で「オール沖縄」の候補者を勝利させ、新基地ノーの意思を何度も示してきました。これに対し自公政権は県民の声にことごとく逆らい、違法・不当な手段で新基地建設を強行してきました。
翁長雄志前知事などが埋め立て承認の取り消しや撤回を行ったのに対し、国民の権利救済が目的の行政不服審査法を悪用し、防衛省の申し立てを関係大臣が認め、これらの処分を無効にしたのは、その典型です。違法の疑いがある工事の中止を求める県の行政指導なども全て無視してきました。その目的は「工事を進めて移設を既成事実化し、沖縄の『戦意』をくじく」(「朝日」24日付)ことだとされます。こんな卑劣なやり方に決して負けるわけにはいきません。
新基地建設問題は今、新たな局面に入っています。埋め立て海域に広範な軟弱地盤が見つかり、技術的にも完成のめどが立たないためです。自公政権は18年末に埋め立てを強行しました。しかし、今年8月末の時点で土砂投入量は全体の必要量の約8%にすぎないとされます。昨年4月には軟弱地盤の改良工事のため設計の変更を県に申請しましたが、新基地阻止を掲げる玉城デニー知事が承認することはあり得ません。防衛省が12年と試算する期間で新基地が完成する保証は全くありません。
普天間撤去に道開こう
加えて、沖縄戦の激戦地であり、戦没者の遺骨が眠る本島南部から土砂を掘り出し、新基地建設の埋め立て工事に使う計画も大問題になっています。しかし、岸田首相は「防衛省が適切に判断する」とまるで人ごとです。
政治的にも、技術的にも行き詰まっている新基地建設を止め、普天間基地の無条件撤去への道を切り開くため、総選挙での政権交代、「基地のない沖縄」を掲げる日本共産党の躍進が求められます。