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2021年10月25日(月)

多様性の統一で新しい政権を

「市民と野党街宣」 志位委員長のスピーチ

 23日に東京・新宿駅東南口で開かれた「UNITE FOR OUR FUTURE 未来を変えるための市民と野党街宣」での日本共産党の志位和夫委員長のスピーチ(全文)を紹介します。

自公政治を終わらせ、国民の声が生きる新しい政治を一緒に

写真

(写真)スピーチする志位和夫委員長=23日、東京・新宿駅東南口

 みなさんこんばんは。日本共産党の志位和夫です。(拍手)

 今度の総選挙は、日本の未来がかかった本当に大事な選挙になっています。

 この9年間の安倍・菅政治は日本という国を本当にひどくしたと思います。

 格差と貧困をうんと広げました。「モリ・カケ・桜」――国政私物化疑惑、何一つ究明していないじゃないですか(「そうだ」の声、拍手)。安保法制を強行して憲法に基づく政治、立憲主義を壊しました。そして、コロナ失政で多くの人々の命を損ないました。

 みなさん、岸田政権はこの9年間の安倍・菅政権を何一つ反省することなく引き継ぐと言っています。もうこんな自公の政治は終わりにしようじゃないですか。(拍手)

 みんなで力を合わせましょう。市民と野党の共闘の力で、政権交代を実現し、国民の声が生きる新しい政権をご一緒につくろうではありませんか。(拍手)

本気の共闘の態勢が整った―共通政策、政権協力の合意、選挙協力の態勢

 みなさんの大きな力がはたらいて、今度の総選挙は、野党みんなそろってたたかう態勢が整いました。私は、本気の共闘の態勢をつくれば、必ず国民にその気持ちは伝わると考えております。

 そのためには三つの大事なことがあると考えます。

 一つは、市民と野党が共通政策をしっかりだして、魅力ある日本の未来の姿を示すことです。

 二つ目は、その政策を実行する政権の姿をきちんと示すことです。

 そして三つ目は、選挙協力をしっかりやることです。

 いまこの三つがそろって、総選挙をたたかっているということは、みなさんの力によるものであり、心から感謝するとともに、必ず勝つ決意を申し上げたいと思います。(拍手)

共通政策は日本を変える素晴らしいパッケージ

 まず第一番目の問題、共通政策では、市民連合のみなさんと、立憲民主党、日本共産党、社民党、れいわ新選組の4党首が一堂に会しまして、20項目の共通政策に合意しました。

 これは、私は、日本を変える素晴らしいパッケージだと思っております。

 そのなかで例えば、「安保法制の違憲部分の廃止」、しっかり書いてあります。立憲主義を取り戻そうじゃありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 そのなかには、「核兵器禁止条約の批准をめざし、まずは締約国会議にオブザーバー参加する」、これが書いてある。ノルウェーの政府はこれを決めました。ノルウェーに続いて、唯一の戦争被爆国の日本が参加すれば、世界への大きな貢献になるんじゃないでしょうか。(拍手)

 そのなかには、「沖縄辺野古での新基地建設を中止する」とはっきり書いてある。「オール沖縄」への連帯の意思をみんなで示そうじゃありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 そのなかには、「従来の医療費削減政策を転換する」と書いてあります。この間、感染症の入院ベッドを半分にし、保健所を半分にした。これが医療崩壊を招きました。二度とくりかえさないために、医療・公衆衛生を再生していこうではありませんか。(拍手)

 そのなかには、「消費税減税」、「富裕層に課税」すると書いてある。みなさん、アメリカのバイデン大統領も、「1%の富裕層と米財界に公正な負担を」と言っているじゃありませんか。いいことは米国に見習ったらどうかと思いますがいかがでしょうか。(拍手)

 そのなかには、「選択的夫婦別姓」をはじめ、ジェンダー平等の課題もしっかり書いてある。このまえの党首討論会で「賛成」に手をあげなかったのが自民党の岸田さん。2年前の党首討論会でも「賛成」の手をあげなかったのは当時の安倍首相でした。2回続けて背を向けるという点では、自民党、ジェンダー平等で「アウト」ではないですか。(拍手)

 このなかには、「原発のない脱炭素社会」が書いてある。いま気候危機が世界で大問題です。「地球が燃えている」と世界中で若者が叫びをあげている。これにしっかり答える新しい政治をつくっていこうじゃありませんか。(拍手)

 こういう20項目が書いてある。どれ一つとったって岸田さんには逆立ちしたってできないことばかりですね(拍手)。いまこの大義の旗をしっかり掲げてたたかっております。

共通政策を実行する政権協力の合意

 そして第二の政権協力という点では、私は立憲民主党の枝野代表と党首会談をやりまして、新しい政権ができた場合には、共産党は限定的な閣外からの協力をやる、これで合意いたしました。限定的といっても、今いったような豊かな20項目を一緒にやろうということですから、立派な合意と言えるのではないですか。(拍手)

7割以上の小選挙区で1対1の対決構図

 そして第三の選挙協力という点では、みんなの努力があって、全国289の小選挙区の7割以上、213で野党候補者が一本化されました。7割以上で1対1の与野党対決の構図をつくることができました。

 私はここまできたからには、すべてで自民・公明と補完勢力を倒し、すべてで野党が勝利するために全力をあげる決意を述べたいと思います。(大きな拍手)

戦後初めての態勢をつくった力は「野党は共闘」の市民の声

 ここまで野党が本気の態勢をつくって総選挙をたたかうというのは戦後の日本の歴史でも初めてです。

 ここまで持ってこられた力はどこにあったか。若いみなさん、市民のみなさんが、「野党は共闘」―こうしたコールをあげ続けてくれた、ここにありました。

 安保法制が強行されたあの夜、多くの若者が国会に詰めかけ、「野党は共闘」、このコールが響きました。私たちはそれに背中を押されて、この6年間がんばってきましたが、ここまで来たからには、みなさん、選挙で勝ちましょう。(拍手)

政権交代を始めよう―多様性の統一で新しい政治を実現しよう

 野党はしっかりと未来を示しています。だから私は訴えたい。あなたの1票で政治は変えられます。あなたの1票で政権も代えられます。政権交代を始めようじゃありませんか。(歓声と大きな拍手)

 最後まで力を尽くしたい。相手の側もいろんな妨害を始めました。でもどんな妨害もまさに共闘が大きな力を発揮していることの証明だと私は思うんです。

 共闘というのは立場の違う者が協力することですね、一致点で。ですから私は、リスペクトということが一番大事だと思う。立場の違いがあってもお互いの立場の違いをよく理解し合って、尊重し合って、敬意を払って、リスペクトしながら、一致点で協力することが一番大事ではないでしょうか。

 ASEAN(東南アジア諸国連合)の標語に、「ユニティー・イン・ダイバーシティー」というのがある。多様性の統一ということです。これが一番強いと思う。自公には多様性がない。こっちは多様性で行きましょう。多様性の統一、「ユニティー・イン・ダイバーシティー」で新しい政治をつくろうではありませんか。このことをお訴えし、みなさんと一緒にたたかう決意を申し上げて、私のごあいさつといたします。ありがとうございました。(大きな拍手、歓声)


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