2021年10月23日(土)
主張
暮らしの再建
消費税減税に踏み切る政権を
コロナ危機で、傷つけられた家計と営業を立て直すために、緊急の支援策とともに消費税の5%への減税が求められています。
ところが、岸田文雄首相は総選挙の論戦のなかで「消費税をさわることは考えるべきではない」などと消費税減税をかたくなに拒み、国民の切実な声に応えようとしません。総選挙で、自民党・公明党政権を終わらせ、消費税減税に踏み切る政権を実現しましょう。
社会保障のためは口実
安倍晋三政権は2度の税率アップで消費税を5%から10%に引き上げました。合計13兆円もの負担増が国民にのしかかり、景気悪化に拍車をかけました。
世界では、コロナ対策のため消費税(付加価値税)の減税を実施した国が62カ国にのぼっています。コロナと消費税増税で打撃を受けた日本でこそ、5%へ引き下げることが急がれます。
自公政権は、「消費税は社会保障を支える大変重要な財源」と主張し、聞く耳を持ちません。しかし、実際は肝心の社会保障は、年金給付削減、高齢者の医療費窓口負担増、生活保護の削減など6兆円もの給付減と負担増が国民に押し付けられ、社会保障拡充どころか、機能は弱まるばかりです。
政府は消費税を財源にして、急性期の入院ベッドを大規模に削る計画をすすめています。消費税が社会保障のためなどということはいよいよ成り立ちません。
1989年の消費税導入から33年間に消費税収の総計は448兆円でした。ほぼ同じ時期に法人3税は323兆円、所得税・住民税は286兆円も減りました。消費税はその穴埋めに消えたのです。大企業や富裕層を優遇する税のゆがみをただし、国民が安心して暮らせるようにしなければなりません。
日本共産党はコロナ危機を乗り越え、暮らしに安心と希望を届ける「新経済提言」を発表しました。消費税減税のほか医療・介護・保育・福祉・教育などの拡充をはじめ、さまざまな分野で国民生活の底上げをはかる提案です。
その財源も示しています。大企業や富裕層に応分の負担を求めるなどの内容です。具体的には▽大企業優遇税制の廃止・縮小、中小企業を除いて法人税率を安倍政権以前の水準(28%)に戻す▽所得が1億円を超えると課税率が低くなる富裕層の株取引への課税強化と、所得税・住民税の最高税率引き上げ▽富裕税と為替取引税の創設▽軍事費や大型開発の見直しなどです。
コロナ対応の緊急な支出を国債の増発により賄うことは当然です。一方、恒久的な施策は税財政の民主的な改革でおこなうことが必要です。
経済の安定的な成長で
税制や歳出の改革で財源を確保し、社会保障や教育などの拡充をすすめれば、消費税に頼ることはありません。国民生活を豊かにして、安定的な経済成長による税収増があれば、国債発行を減らすことも可能です。
野党共通政策では、所得・法人・資産の税制などの見直し、消費税減税、富裕層の負担強化など公平な税制の実現を掲げ、低所得層や中間層への再分配の強化を打ち出しています。
政権交代で、税財政を改革する道へ踏み出しましょう。