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2021年10月15日(金)

安倍・菅政治への反省がない岸田自公政権

共産党躍進 政権交代で四つのチェンジ

 政権発足から10日で衆院解散に踏み切った岸田文雄首相―。自公政権の表紙だけは替わったものの、衆参代表質問などが行われたこのわずかな期間でも、岸田首相にはこれまでの政治への反省が一切なく、安倍・菅政治を引き継いで改憲・大軍拡・原発大推進まで狙っていることが明らかになっています。四つのチェンジを掲げる日本共産党の躍進と野党の勝利で自公政治に終止符を打ち、国民が希望の持てる新しい日本へ踏み出すことが何としても必要です。


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(写真)野党の協力を広げて総選挙で勝利し、新しい政治を実現しようと共通政策に合意した市民連合と野党各党党首=9月8日、参院議員会館

自公 新自由主義・アベノミクス継続

共産党 命と暮らし守る政治を

 9年間に及んだ安倍・菅政治は、立憲主義破壊や国政私物化だけでなく、新自由主義、アベノミクスで貧困と格差を広げ、コロナ禍をいっそうひどくしました。このため、自民党総裁選では岸田氏も「新自由主義からの転換」を掲げざるをえなくなり、所得1億円を超えると逆に税負担率が下がる「『1億円の壁』の打破」や「令和版所得倍増」を目玉政策にしました。

 ところが首相の所信表明ではその全てを封印。12日に発表された自民党の総選挙政策にも何一つ入りませんでした。

 衆参代表質問の答弁でも「新しい資本主義の実現」を掲げたものの、まず「成長」を目指すとし、「大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略を推進する」とアベノミクスと同じ柱を強調。「成長と分配の好循環」という安倍元首相と同じ言葉を繰り返し、「新しい資本主義」は「アベノミクスも基礎とした新しい概念だ」と開き直りました。

 非正規雇用を拡大した労働法制の規制緩和にも社会保障の削減にも、9年間で日本の大富豪の資産を4倍化させた一方で働く人の実質賃金を22万円も減らした政治にも何の反省もありません。

 低所得者ほど負担が重い消費税も「社会保障の財源だ」と減税を拒否。来年度後半とされている高齢者医療費2倍化法の「円滑な施行に努める」と答弁しています。

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(写真)日本共産党の志位和夫委員長

 日本共産党は、弱肉強食の新自由主義から、命と暮らしを何よりも大切にする政治へのチェンジを訴えます。

 最低賃金1500円、人間らしく働けるルール、学費半減、消費税5%への減税など暮らしの底上げで経済を良くしていく道への抜本的な切り替えが必要です。富裕層・大企業優遇税制を改め、財源を生み出します。

 コロナ禍の体験にもかかわらず岸田自公政権はいまだに公立・公的病院の統廃合を進め、地域医療構想に基づいて20万床の急性期病床をへらす計画を進めています。40年来の医療と公衆衛生を切り捨ててきた政治の根本からの切り替えも必要です。

自公 原発依存の姿勢あからさま

共産党 原発ゼロで脱炭素実現

 異常な豪雨、台風、熱波などの気候危機は人類が直面する大問題です。気候危機に対し自民党の総選挙政策は「カーボンニュートラル実現に向けた不可欠な電源」として「原子力発電所」を掲げ、「再稼働をすすめます」と明記。岸田首相は「さらなる経済成長」のために「原子力や水素など、あらゆる選択肢を追求する」(11日の衆院本会議)と述べ、原発依存の姿勢があからさまです。

 日本共産党は「気候危機打開のための2030戦略」で、原発ゼロを前提に省エネルギーと再生エネルギーの普及で2030年までにCO2の最大60%削減を提案。目標達成のため電力、産業、運輸、都市、住宅など社会のあらゆる分野での大改革を示しています。

自公 選択的夫婦別姓に後ろ向き

共産党 ジェンダー平等社会へ

 岸田首相は所信表明演説で選択的夫婦別姓などのジェンダー平等について一言も触れませんでした。首相は、3月に発足した、自民党の「選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟」の呼びかけ人に名を連ねています。ところが野党の追及に、「引き続き議論する」との後ろ向きな答弁を繰り返し、「早期実現」から大きく後退しました。自民党の政策集には記載されていません。

 日本共産党は「ジェンダー平等社会実現、多様性と個人の尊厳を大切にする政治の転換」を掲げ、男女賃金格差や働く場でのジェンダー平等に加え、選択的夫婦別姓の実現を目指しています。

 野党4党と「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」が合意した野党共通政策には、選択的夫婦別姓制度を成立させるとしています。

自公 改憲と大軍拡、核禁条約は拒否

共産党 9条生かして平和外交

 岸田首相は、所信表明演説で改憲に積極姿勢を示し、自民党の総選挙政策では「早期の憲法改正を実現する」と明記しました。

 政策集には、2022年度から「防衛力を大幅に強化」「NATO諸国の国防予算の対GDP(国内総生産)比目標(2%以上)も念頭に、防衛関係費の増額を目指す」と大軍拡を宣言しています。

 違憲の敵基地攻撃能力について政策集では「相手領域内で弾道ミサイルを阻止する能力の保有を含めて抑止力を向上させるための新たな取り組みを進めます」としました。

 一方で、岸田首相は、「核兵器禁止条約に核兵器保有国が参加していない」などと述べ、同条約への参加を拒否しました。

 また、政策集は、民意を踏みにじる沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設推進を明記しています。

 日本共産党は「憲法9条を生かした外交への転換で、平和な日本とアジアをつくる」とし、自民党の9条改憲を阻止し、核兵器禁止条約に参加する政府をつくることなどを掲げています。野党共通政策では、コロナ禍に乗じた改憲反対や核兵器禁止条約の批准、辺野古新基地建設の中止を明記しています。


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