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2021年10月9日(土)

主張

岸田首相所信表明

これが「国民の声」聞く姿勢か

 「国民の声」を聞くことが売り物の岸田文雄首相の就任後初の所信表明演説は、その言葉とは程遠いものでした。「新しい時代」を開くと強調しましたが、国民の不信を招いた安倍晋三・菅義偉両政権のどこが間違っていたのか、一切触れません。むしろ、「新しい資本主義」を目指すなどとごまかして、破綻した「安倍・菅政治」を、いっそう推進する姿勢を示しました。いくら表紙が替わっても、政治の中身は変わりません、新しい政治を実現するには政権交代しかありません。

「安倍・菅」と変わらず

 安倍首相時代の「森友学園」疑惑で公文書改ざんを強いられ自死した近畿財務局職員・赤木俊夫さんの妻・雅子さんは、再調査を求める直筆の手紙を岸田首相に届けました。ところが所信表明演説には受け止める姿勢が全くありません。一言も触れませんでした。

 「森友」問題だけでなく、「桜を見る会」前夜祭の費用や、河井克行元法相・案里元参院議員夫妻の大規模買収事件での自民党本部からの1億5000万円もの資金提供、甘利明自民党幹事長の口利き・金銭授受など、国民が疑問に思っている多くのことに、首相はことごとくだんまりを押し通しました。学問の自由を踏みにじった日本学術会議への人事介入についても沈黙です。そうした問題に背を向け、いくら「国民の声を真摯(しんし)に受け止め」とか、「信頼と共感を得られる政治」と繰り返しても、なにも響きません。

 コロナ対策では、感染爆発を招いた自公政権の対応のどこに問題があったのか踏み込みませんでした。自ら与党幹部として無為無策を続けたことに反省はありません。医療・検査体制の抜本的拡充や暮らしの支援強化にも具体的な裏付けを示しません。

 「新しい資本主義の実現」といって、経済運営の基本に挙げたのは、安倍政権の「3本の矢」でした。「成長と分配の好循環」は、安倍氏の常とう句です。格差と貧困を拡大した「アベノミクス」を継承・推進する立場は明白です。

 外交・安保政策では、2013年に策定した国家安全保障戦略や防衛大綱などの改定に取り組むことを表明しました。大軍拡に拍車をかけようとしています。沖縄県民の声に逆らって米軍辺野古新基地の建設も強行する姿勢をあらわにしました。被爆地・広島出身の首相として、「核兵器のない世界」を目指すと口にしても、核兵器禁止条約の署名・批准を拒否していることとは相いれません。唯一の戦争被爆国の国民の悲願に逆行するものです。

 安倍元首相が執念を燃やした改憲問題では、国会の憲法審査会で「建設的な議論を行い、国民的な議論を積極的に深めていただくことを期待」といいました。首相の憲法擁護尊重義務も三権分立の原則も投げ捨てたやり方は、文字通り「安倍・菅政治」そのものです。

政権交代で政治の刷新を

 岸田政権発足後の世論調査では、安倍・菅政権の路線を「引き継がないほうがよい」が55%(「朝日」)、「転換すべきだ」が69・7%(共同通信)でした。

 岸田首相に政権担当の資格はありません。市民と野党が力を合わせ、総選挙で政権交代を実現し、国民の声が届く政治に切り替えることがいよいよ重要です。


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