2021年10月9日(土)
岸田首相 所信表明演説
反省全くないのが特徴
志位委員長が会見
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日本共産党の志位和夫委員長は8日、国会内で記者会見し、岸田文雄首相の所信表明演説への受け止めを問われ、「自分たちの政治のどこに問題点があったか、その反省が全くないのが特徴だ」と強調するとともに、岸田首相が言う「新しい資本主義」なるものの中身は「アベノミクスの“三番煎じ”だ」と批判しました。
志位氏は、岸田首相の演説で、新型コロナでの感染爆発と医療崩壊がなぜ起きたのかの反省も、アベノミクスの9年間で格差と貧困が広がったことへの反省もなく、さまざまな国政私物化疑惑や日本学術会議への人事介入には一切触れなかったとして、「自分たちがやってきた問題点の反省がないということは誤りを繰り返すことになる。『安倍・菅直系政治』と言ってきたが、安倍政権、菅政権を引き継ぐ政権だということがはっきり見えてきた」と強調しました。
志位氏は、岸田首相が「新しい資本主義」をとなえ「成長と分配の好循環」を強調したことについて、「これは2016年1月22日に安倍晋三元首相が施政方針演説で述べた『成長と分配の好循環』という言葉を繰り返したものだ」として、「経済政策で『新しい資本主義』というワードが出てきたが、中身はアベノミクスの“三番煎じ”だ」と強調。「アベノミクスで『トリクルダウン』の失敗は明らかであるにもかかわらず、同じことを繰り返している」と批判しました。
志位委員長は核兵器禁止条約について、岸田首相は総裁選で否定的な発言だったと指摘。「この問題の根本には『核抑止』という立場がある。日本政府は『核抑止の信頼性を損なう』といって核兵器禁止条約に背を向け続けてきたが、岸田氏の立場もそこから一歩も出ていない」として、「岸田首相は『広島出身』を強調するが、『核抑止』という根本的に間違った議論にとらわれて禁止条約に背を向け続けていいのか。このことが問われている」と述べました。
経済にかかわって与野党で似た言葉があると問われた志位氏は「やってきたこと、やろうとしていること、この具体的な中身が問題だ」と指摘。社会保障「切り捨て」政治、「使い捨て」労働を増やしてきた政治、安倍政権のもとでの2回にわたる消費税増税が問われると述べました。また岸田氏が自民総裁選のなかで主張していた「新自由主義の転換」について、所信表明では「弊害が指摘される」というだけで、ともかくもいったん掲げた「転換」の旗を降ろして後退したとして、「具体論になればまったく空疎だ」と語りました。
その上で志位氏は、気候危機の打開、ジェンダー平等への言及がまったくなかったとして、「この二つの問題に真剣に向き合わない政治は失格だ」と強調。沖縄・辺野古へ米軍新基地建設で「普天間の早期返還のために移設工事を進める」と述べたことについても「破綻した議論だ」とし、「政権交代によって自公政治そのものを終わりにするしかない」と語りました。