2021年10月4日(月)
LGBT専用初病院
メキシコ市長、たたかいを称賛
最新医療器材・精神科相談室も
メキシコ市は1日、LGBT(性的少数者)の患者の受け入れを専門とする総合病院を開設しました。LGBT専用病院が公立で設置されるのは同国で初めて。地元メディアは差別や偏見に苦しむLGBT当事者や活動家の「長いたたかいの成果だ」と報じています。
1日の開設式典には、市当局者や市議会議員とともに、LGBT団体の代表も出席し、祝いました。
LGBT問題の専門家であり活動家でもあるヘナロ・ロサノさんは、「差別的な対応がなくなるのは重要だ」と強調。トランスジェンダー団体のバレンティナ・テレマさんは、「何年も待ち続け、ついにできた。LGBTの仲間の健康を扱う病院だ」と喜びの声を上げました。
LGBT病院の設立は2018年に就任したシェインバウム市長の選挙公約です。病院内には六つの診察室、超音波検査などの最新医療器材、精神科医の相談室などが備えられています。
シェインバウム氏は式典で、LGBTの人々や団体について「民主化や人権と自由の強化のために貢献し、何十年にもわたって差別や犯罪、権利・サービスの拒否・制限とたたかってきた」と称賛。病院の医療スタッフにLGBTの人々を積極的に採用する方針を明らかにしました。
また、「多様性を認めることは私たちの社会を豊かにする。差別や憎悪は社会を貧しくする。メキシコ市は権利を守る自治体だ」と語り、LGBTの人々をはじめ市民の権利を擁護するためひきつづき努力する決意を表明しました。