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2021年9月28日(火)

国連一般討論 核禁条約歓迎相次ぐ

抑止力論に厳しい目

 【ニューヨーク=島田峰隆】今年の国連総会一般討論では、1月に核兵器禁止条約が発効したことを歓迎する発言が相次いでいます。核抑止力論に対してもいっそう厳しい批判の目が向けられています。

 来年3月に禁止条約の第1回締約国会議を主催するオーストリアのシャレンベルク外相は23日、「破壊力を高めることで安全保障を強めることはできない。とりわけ核抑止力の神話にしがみついていては無理だ」と指摘。核兵器は廃絶しなければならず、「禁止は最初のステップだ」と述べました。

 ローマ教皇庁(バチカン)のパロリン国務長官は25日、「核抑止力を口実にして保有されている核兵器の脅威は、相互破壊の恐怖感を引き起こし、諸国民間の関係を悪化させ、対話を阻み、希望を壊す」と批判。禁止条約の発効は廃絶への「主要な前進だ」とし、「それが核不拡散条約(NPT)の実践を前進させる刺激となることを強く希望する」と述べました。

 タイのプラユット首相は25日、禁止条約の発効について、「次世代に核兵器のない世界を渡すという国際社会の決意表明だ」と指摘しました。禁止条約とNPTを相互補完するものとして支持していく姿勢を示しました。

 マレーシアのイスマイルサブリ首相は25日、「核兵器の使用による破滅的な結末を避けるには全面廃絶しかない」として、禁止条約の発効を歓迎。コロナ禍のもとで「多額の資金が命や生活を救うためではなく核兵器の維持、近代化に使われていることは残念だ」と強調しました。

 ナイジェリアのブハリ大統領は24日、来年のNPT再検討会議と禁止条約第1回締約国会議を「核兵器のない世界の実現への重要なステップ」と位置付けて「積極的に参加する」と述べました。


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