2021年9月24日(金)
国の協議中断要求認めず
諫早訴訟差し戻し審で高裁
長崎県の国営諫早湾干拓事業で、潮受け堤防排水門の開門を強制しないよう国が求めた訴訟の差し戻し審の進行協議が22日、福岡高裁(岩木宰裁判長)でありました。協議は非公開。
国は改めて「開門の余地を残した和解協議の席に着くことはできない」とし、速やかに協議を打ち切り、判決の言い渡しを要求。これに対し高裁は、協議の打ち切りはせず、国と漁業者側双方にそれぞれの意見書への見解を、次回期日の10月27日までに示すよう求めました。進行協議後の報告集会で弁護団が明らかにしました。
報告集会で馬奈木昭雄弁護団長は「国は、議論すらしないという異常な態度。しかし、裁判所は徹底して話し合いによる解決を求めていくという意思を示した」と強調。「私たちはそれを力に、地方議会やさまざまな団体から話し合いによる解決を求める決議・意見書を上げるなど、世論をさらに大きくしていこう」と呼びかけました。
「漁業者と営農者を苦しめる国に怒りしかない」と憤る佐賀県太良町の漁業者・平方宣清さんは「国には絶対に負けない」と力を込めました。
弁護団で日本共産党の仁比聡平前参院議員は「衆院選で野党が政権を取れば状況は一変する。世論と運動を希望をもって広げていこう」と訴えました。