2021年9月17日(金)
性犯罪 刑法改正求める
支援団体会見 「時計の針進める」
性被害者支援団体からなる「刑法改正市民プロジェクト」は16日、上川陽子法相が同日、法制審議会(法相の諮問機関)に刑法の性犯罪規定の再改正を諮問したことを受け、オンラインで記者会見を行い、被害実態に即した法改正を求めました。
会見に参加したジャーナリストの伊藤詩織氏は、自身の受けた性被害が不起訴となる一方、民事訴訟では2019年12月の地裁判決で「同意がなかった」とされ、「『不同意』が日本の刑法にあったらどういう結果になっていたか」と指摘。日本と世界に「#MeToo」運動が広がるなど、「皆さんの力で動いた時計の針を戻さずに前に進めたい」と語りました。
10代の時に教師から性被害を受けた写真家の石田郁子氏は性被害だと認識するまでに約20年かかったとして、現行法の強制性交等罪で10年の公訴時効の見直しや、13歳の「性交同意年齢」の引き上げは当然だと強調しました。
ドメスティックバイオレンス(DV)被害者支援の「全国女性シェルターネット」の山崎友記子事務局長は、配偶者・パートナー間の性犯罪防止のためにも、現行法の「暴行・脅迫」要件を改正し、性被害当事者らが求める「不同意性交等罪の創設」をすべきだと述べました。
ネット上で拡散、売買される児童の性的な画像・動画の被害が相次いでいるとの告発や、刑法改正論議での「『女はうそをつく』とのジェンダー差別に自覚的になってほしい」などの意見が出されました。