2021年8月21日(土)
PCR検査言及せず
文科省が新学期の感染対策
感染力が強いデルタ株の感染拡大のもとで新学期が始まろうとしていることを受け、文部科学省は20日付で新型コロナウイルスの感染対策の徹底を呼び掛ける事務連絡を各地の教育委員会などに出しました。高校に限定し分散登校などの奨励を明記。無症状感染者の発見に不可欠なPCR検査については言及していません。
従来株と比べデルタ株は子どもも感染しやすいとされ、子どものクラスター(感染者集団)も各地で発生しています。夏休み明けの学校再開で、学校から家庭や地域に感染が拡大する懸念が指摘されています。
萩生田光一文科相は同日の会見で、小中高校などの一斉休校について「国として再びお願いすることはない」と発言しました。自治体の判断で臨時休校や夏休みを延長することは「尊重したい」と述べました。
事務連絡も地域一斉の臨時休業は慎重に検討するよう要請。緊急事態宣言が出ている地域の高校で時差登校や分散登校、オンライン学習を組み合わせた学習を積極的に検討するよう求めました。一方で小学校や中学校の分散登校などには触れませんでした。文科省関係者は「地方が忖度(そんたく)し一斉休校のようになることを恐れたのではないか」と言います。
常時換気や3密回避といった基本的な対策の徹底、不織布マスクが最も高い効果を持つことを強調しています。
文科省は、これまで大学や高校に配布してきた抗原検査の簡易キットを小中学校にも配布する方針を決定。国の優先接種の対象となっていない教職員のワクチン接種についても、各自治体に求めていく方針です。
ただ、抗原検査は症状が出ていなければ検査できません。無症状者からの感染拡大を防ぐには無症状者も含めたPCR検査の拡充が不可欠です。