2021年8月15日(日)
「必要のない命は軽い」とヘイト発言
DaiGo氏は謝罪を
4団体が緊急声明
「メンタリスト」を名乗るタレントのDaiGo(ダイゴ)氏が、動画共有サイト「ユーチューブ」の動画で生活保護利用者やホームレスの人に対するヘイト発言を繰り返した問題で、生活保護問題対策全国会議、つくろい東京ファンドなど4団体は14日、発言の明確な撤回と謝罪などを求める緊急声明を発表しました。
同氏は7日公開の動画で「生活保護の人が生きてても僕は別に得しない」「自分にとって必要のない命は軽い。だからホームレスの命はどうでもいい」など命をおとしめる発言をしました。ホームレスの人に対し「いない方がよくない?」「正直、邪魔」などとのべ、社会からの排除や抹殺まで示唆しました。
ネット上で批判が殺到し、厚生労働省の公式ツイッターアカウントは「生活保護の申請は国民の権利です」とツイート。DaiGo氏は13日、謝罪する動画を公開し、問題の動画を削除しました。
緊急声明は同氏の差別発言について「人の命に優劣をつけ、価値のない命は抹殺してもかまわない、という『優生思想』そのもの」で容認できないと批判。路上生活者への襲撃事件が後を絶たない中、さらなるヘイトクライム(憎悪犯罪)を誘発する危険のある悪質な発言と断じました。
ユーチューブのチャンネル登録者数250万人と影響力の大きい同氏の発言が、ホームレス状態の人への偏見を助長し排除を誘導すること、生活保護への市民の忌避感を強め、生活困窮者を間接的に死に追いやる効果を持つと指摘しています。
同氏が発言を「謝罪」しても生活保護制度への根本的な理解を欠いていることに変わりないとして、動画がヘイトスピーチに該当する内容だと真に理解した上で改めて発言を反省し、撤回・謝罪するよう求めました。