2021年8月12日(木)
「見捨てられたまま」
戦後処理 4団体が会見
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戦後補償の対象外にされている民間被害者や外国籍の元戦犯らの補償などを求める4団体は11日、国会内で記者会見を開き、「戦後処理問題のすみやかな解決を」と訴えました。
4団体は、それぞれ法律や法改正を求めています。共同の訴えでは、戦後76年がたつ今でも、国策として行われた戦争の犠牲を被害者に不公平に押し付けたままだと指摘。「被害者らが求めている措置は極めて控えめなもので、現在発表されている法律案などの総予算額は28億円に満たない額」とし、調査や補償を要求しています。
6歳のときに左足を空襲で奪われた、大阪空襲訴訟を伝える会の安野輝子さんはオンラインで参加。「空襲被害者救済法はいまだに成立せず、私たちは見捨てられたまま。法案に反対する政治家らは、私たちが全員死ぬのを待っているのだと思う。負けるわけにはいかない。戦後世代とも手をつなぎ、最後まであきらめない」と決意を述べました。
韓国人元BC級戦犯者「同進会」の朴來洪(パク・ネホン)副会長の父は捕虜監視員としてジャワに配置され、15年の刑を受けました。「『日本人』として拘禁され、保釈後は『外国人』として一切の援護から外された。父はこの不条理が司法によりただされるのを期待し、仲間に託した」と強調しました。
シベリア抑留犠牲者遺族の小林晃さんは、進まない遺骨収集の実態を告発。「行方不明者や未収容の遺骨は多く、遺族の悲しみは絶えない。遺骨を遺族のもとに返し、死者の人間としての尊厳を取り戻すことに努力すべき」だと訴えました。