2021年8月8日(日)
主張
校則アンケート
「変えたい」の声にこたえたい
校則のあり方が社会問題となる中、日本共産党は「校則問題プロジェクト」を立ち上げ、ウェブ上で「校則アンケート」を行いました。全国の中高校生1453人をはじめ保護者、教職員、市民、計2954人から回答をいただきました。結果は党ホームページで順次公表しています。全面公開する予定です。ぜひお読みください。
個性をつぶさないで
アンケートは日本共産党として子どもの声を広く聞く初めてのとりくみです。「疑問に思う校則は?」などの選択肢とともに、さまざまな思いを伝えてもらうために記述式の設問も重視しました。中高生だけでのべ4000以上の書き込みが寄せられました。
最大の特徴は、校則をめぐる苦しみや要望が、予想以上に深く大きいことです。
中高校生の8割が、学校の校則に疑問に思うものがあると答えました。「ツーブロックなど特定の髪型の禁止」「靴下の色、長さ、ポイントなどの指定」などです。
頭髪や服装が校則通りかどうかを調べる検査は、中高生の7割が「ある」と回答し、同じく7割が「いや」と答えました。「1列に並び、教師2、3人に囲まれ顔を近づけられたり髪を触られたりしながら検査される」「下着の色まで確認されるのはいやだ」「膝立ちさせてスカート丈を確認される」など具体的な記載が多くありました。
「気持ちや日常生活への影響」についての回答のトップは「監視されているようで窮屈」で約半数でした。「学校にいきたくなくなる」との答えも4人に1人にのぼりました。個性をつぶさないでほしいという中高生の記述が多数みられました。
権利の主体として行動したいというエネルギーに満ちた子どもの姿もみえました。アンケートには「社会が変わり続けるのに、学校が変わらないままはおかしい」「もっと自分たちを信頼してほしい」「先生とともに変えていきたい」などとつづられています。86%が「校則を変えられたらいい」と答え、半数が校則見直しに自身や友達が「とりくんだことがある」と回答しました。中高生は個人の尊厳や人権保障、ジェンダー平等の視点でも見直しを求めています。
子どものためのはずの校則が、多くの子どもを苦しめている現実は抜本的見直しが必要です。
校則は、子どもの人権・尊厳に直接かかわる問題です。同時に、自主性の保障が求められる教育活動の一環だという性格があります。それだけに、人権侵害を外から批判するだけでは解決できない面があります。子どもを真ん中にした、丁寧で率直な話し合いこそが、解決の根本となります。
社会全体でとりくみを
アンケートでは教職員の9割が、「おかしいと思う校則がある」「子どもの権利、人権の視点で見直すべき」と回答しています。保護者や市民も同様です。人権の立場から校則を見直す地方自治体がうまれ、文部科学省が設けた外部有識者の会議でも「人権に配慮した校則」を求める意見が出されました。
個人の尊厳と多様性の時代にふさわしい学校のあり方が問われています。それを探求する力は、子ども、教職員、保護者、市民のなかにあります。社会全体で校則を語り合い、変えるとりくみを広げましょう。