2021年8月8日(日)
「米国は核禁条約批准を」
米各地 ヒロシマデー集会
核開発施設のある街で追悼
米国による広島への原爆投下から76年目の6日、米国内では反核・平和団体による行事が各地で行われました。参加者は核兵器のない世界に向け、米国政府も今年1月に発効した核兵器禁止条約を批准するよう訴えました。
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【オークリッジ(米テネシー州)=島田峰隆】核兵器開発の大規模施設がある米南部テネシー州オークリッジでは6日朝、広島と長崎の原爆犠牲者の名前を読み上げて追悼し、核兵器廃絶を訴える式典が行われました。現地の反核平和団体「オークリッジ環境平和連合(OREPA)」が主催しました。
式典は世界各国で取り組む草の根の共同行動「平和の波2021」の一環として開かれました。OREPAは1980年代から毎年8月に核廃絶を求める行動を組織しています。
オークリッジでは第2次世界大戦中、原爆開発計画「マンハッタン計画」のもとで、広島に投下された原爆の原料となるウランを処理しました。
式典参加者は、いまも核兵器開発の拠点となっている施設「Y12」の入り口付近に朝6時前に集合。焼け野原となった広島と長崎の写真パネルや、水を求めて苦しむ人々を描いた絵などを展示しました。
被爆証言集や報道などから収集した約200人の原爆犠牲者の名前を読み上げるごとに、鐘を鳴らして折り鶴をロープに結び付けました。8時15分に全員で黙とう。爆風や熱線、放射能の被害についての被爆者の証言を参加者が読み上げ、「核兵器は人類と文明に対する犯罪だ。必ず廃絶しなければならない」などと訴えました。
オークリッジに隣接する町ノックスビルから来たベッティ・コールマンさん(78)は「被爆者の体験を聞き、写真パネルを見ていると胸が張り裂けそうな気持ちになる。でもいま私たちは核兵器禁止条約を持っている。そこに希望を感じている」と話していました。