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2021年8月6日(金)

患者入院制限 方針の撤回を 塩川氏

五輪選手村 宿泊療養施設に 倉林氏

衆参議運委

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(写真)質問する塩川鉄也議員=5日、衆院議運委

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(写真)質問する倉林明子議員=5日、参院議運委

 衆参両院の議院運営委員会は5日、まん延防止等重点措置の対象地域を拡大するにあたって、政府から報告を受け、質疑を行いました。日本共産党から塩川鉄也衆院議員、倉林明子参院議員が質問しました。新型コロナウイルス感染急増地域で入院を制限し、自宅療養を原則とする重大な方針転換をしたにもかかわらず、菅義偉首相は今回の質疑にも出席しませんでした。

 塩川氏は、菅首相は7月末の記者会見で「重症者数の増加に一定の抑制が見られる」と楽観的な見通しを述べていたと批判。政府方針について「呼吸困難や肺炎症状のある『中等症I』の患者の入院をとりやめれば、命にかかわる重大な事態になる」として、撤回を迫りました。西村康稔経済再生担当相は「重症化リスクがある方が、入院できる体制を整えるための対応だ」と開き直りました。塩川氏は「政府分科会の尾身茂会長は『相談・議論したことはない』と述べた。なぜ専門家の意見を聞かなかったのか」と追及。西村担当相は「厚労省がどう対応したか、承知していない」と無責任に答えました。

 塩川氏は、療養は宿泊療養が原則であり、日本医師会の中川俊男会長や尾身氏が宿泊療養施設の強化を強調しているとして、「なぜ宿泊療養施設を抜本的に増やさないのか」とただしました。西村担当相は「宿泊療養施設の確保は重要だ」としつつ、自治体任せの姿勢を示しました。

 倉林氏は「入院が必要だと医師が判断しても、搬送先が見つからず、在宅を余儀なくされているのが東京の実態だ」と強調。東京では8月に入って以降、自宅療養中だった30~50代の8人が在宅死したとの報道に触れ、「入院できないからだ。政府方針はこうした状況を追認することにほかならない」として、撤回を求めました。

 その上で、今回の方針転換の原因は、宿泊療養施設の不足にあると政府が認めたことに触れ、「ならば施設確保に直ちに取り組むべきだ」と強調。「東京五輪の選手村を使えばいい。収容人数は1万8千人、医師や看護師は7千人すでに確保してある。酸素吸入や抗体カクテルも使えるようにすれば、効率的な医療提供だけでなく重症化防止ができる。五輪中止を即刻決断し、選手村を宿泊療養施設としての転用に踏み出すべきだ」と迫りました。

 西村担当相が「大会終了後、選手村をどう活用するかは、東京都と民間所有者で決める」と述べたのに対し、倉林氏は「在宅で亡くなっている人がいる。五輪中止の決断が必要だ」と強調しました。


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