2021年7月9日(金)
埋土・盛り土が崩落
熱海土石流 火山学者、再流出警告
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静岡県熱海市で発生した土石流の起点部分で崩落した土砂をめぐって、もともと山を構成していた火山岩類ではなく、人為的に谷を埋めた埋土や盛り土と考えるのが自然であるという見解を、現地で調査した静岡大学防災総合センターの小山真人教授(火山学)が8日までにまとめました。現場には現在も大量の埋土が残されており、今後また大雨が降った場合に土砂流出や土石流が発生する可能性を警告しています。
崩落した面に見えている地層には、黒い部分と褐色部分があり、褐色部は地山の火山岩類だという見方がありました。隣接地域では溶岩と火砕岩が交互に重なっている地層がみられ、火砕岩は粘土化が進んでいます。
今回、現場写真を分析した結果、黒色部も褐色部も粘土質ではないらしいことや、褐色部では角ばった岩片と丸みを帯びた岩片が混ざっていることなどから、自然の地層ではないと結論づけました。
褐色部からは水が噴き出している様子もみられましたが、これは水道管の破損によるものと判明。その下に少し地山(風化粘土)が露出している場所も見つかりました。
一方、西側の斜面にも、すべり変形の途中段階とみられる領域が確認されました。ここも盛り土・埋土領域で、小山教授は「残ったのは偶然で、大雨が降ればすぐに崩れると思う」としています。