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2021年6月28日(月)

きょうの潮流

 梅雨どきの果物の楽しみは、甘酸っぱい赤いサクランボ。先週、山形県天童市の農家から届きましたが、添えられた便りがいつもと違います。「大不作です」とありました▼3月は暖かく生育が進み、そこへ4月の雪、翌日から霜が続けて降りました。雌しべが黒くなり、収穫は例年の半分に。周辺では皆無に近い農家も。「選抜を聴きつつ桜桃の芽かきする晩霜来ぬか懸念持ちつつ」(石垣葉子さん)。心配が当たってしまいました▼「あのときから私の心の傷はあいたまま」。シャンソンの名曲「さくらんぼの実る頃」の歌詞には、苦い歴史上の体験が反映されています。1871年のパリ・コミューンの「流血の1週間」で犠牲となったルイーズという女性に捧(ささ)げられました▼作者は、詩人でジャーナリストのジャン=バティスト・クレマン。パリ・コミューンに自身も参加し、最後までバリケードでたたかった人。詩で残虐性をあばいて、『シャンソン集』の中で献辞をつけました▼今年はパリ・コミューンから150年。マルクスは「フランスにおける内乱」で、政府の弾圧を厳しく告発。同時に、普通選挙で選ばれた歴史上初の労働者の政権を高く評価しました。血税から解放するなど、コミューンが農民に「希望」だったとも▼葉子さんの夫で共産党市議の石垣昭一さんは6月議会で、サクランボの凍霜害に対して、農家への無利子の融資の創設、農具・資材の補てんを求めました。来年の収穫期には、赤い実がたくさん摘めるように。


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