日本共産党の志位和夫委員長が25日、東京・新宿駅西口で行った都議選第一声は次の通りです。
都議会野党第1党、認可保育所を1.7倍に――この力をさらに大きく
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みなさん、おはようございます。ご紹介いただきました日本共産党の志位和夫でございます。(拍手)
全国注視の都議会議員選挙が始まりました。日本共産党は、8年前の都議選で17議席に、4年前の都議選で19議席に連続躍進させていただき、いま都議会では野党第1党であります(拍手)。この力で、この7年間で認可保育所を1・7倍にするなど、都民のみなさんと力をあわせて、都政を前に進める大きな仕事をやってまいりました(拍手)。今回の選挙で、日本共産党をさらに躍進させていただいて、都民のみんなが安心して希望を持って暮らせる新しい東京をつくろうではありませんか。(拍手)
大山とも子さんは、都議7期28年。都議会野党第1党の団長=大黒柱として、あらゆる分野で獅子奮迅の働きをしてきた、わが党が誇る政治家であります(拍手)。だからこそ、いま激しい「大山落とし」の攻撃があり、当落線上の大接戦となっております。負けられません。最後までご支持の輪を広げに広げ、東京都民にとっての「宝の議席」をどうか守り抜いてください。よろしくお願いいたします。(拍手)
「コロナ封じ込め」を戦略目標に――三つの政治の責任を果たさせよう
みなさん、この選挙は深刻なコロナ危機が続くもとでの選挙となりました。東京では今年に入って今日まで、緊急事態宣言は130日間、まん延防止等重点措置を入れますと148日間、実に6カ月のうちまるまる5カ月は、都民のみなさんに苦しい自粛に次ぐ自粛を求めざるを得なくなっています。しかもいま、新たなリバウンド(感染再拡大)の危険も起こっています。
みなさん、これはやむを得ないことでしょうか。私はそうは考えません。やるべきことを怠ってきた政治の責任であり、菅政権と小池都政による人災ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)
日本共産党は、政府と都に対し、「コロナ封じ込め」を戦略目標にすえ、三つの点で政治の責任を果たすことを強く求めます。
ワクチンの迅速接種と大規模検査をセットで
第一は、ワクチンの迅速接種と大規模検査をセットで行うことであります。
ワクチン接種が始まりましたが、世界で言いますと接種数は先進国で最下位です。人口あたりのPCR検査数は、1年半もたつのに世界141位です。どちらもたいへんに遅れております。
とくに私が強調したいのは、ワクチンの重要性は言うまでもありませんが、ワクチンが日本社会全体で集団免疫をつくるためには、秋から冬にかけてとなり、どうしても一定の時間がかかるということです。そしてワクチン接種がかなり進んだイギリスでも、感染力が強いデルタ株の流行で新たな感染拡大の波が起こっており、ワクチンは万能ではないということです。
ですから、ワクチンと大規模検査をセットでやってこそ、コロナを封じ込めることができるのではないでしょうか(拍手)。「いつでも、誰でも、何度でも、無料で」PCR検査ができる体制をいますぐつくれ――このことを求めていきたいと思います。(拍手)
十分な補償と生活支援を求める
第二は、十分な補償と生活支援を行うことです。
菅政権は、中小業者のみなさんの「命綱」だった持続化給付金と家賃支援給付金を、たった1回こっきりで打ち切ってしまいました。緊急事態宣言を3回もやりながら、支援はたった1回きりというのは、あまりにも冷たい政治じゃないですか。みなさん、持続化給付金の第2弾、支給させようではありませんか。(拍手)
生活に困っていらっしゃる方に、10万円の給付金を出させようではありませんか(拍手)。東京都としての独自の上乗せをやらせようじゃありませんか(拍手)。そしてコロナのもとで大もうけをしている富裕層や大企業に応分の負担を求めて、消費税は5%に減税しようではありませんか。(拍手)
医療を削る政治をあらためる
第三は、医療を削る政治をあらためることです。
新型コロナ危機は、日本の医療の体制が世界で最高水準ともいわれていましたけれども、実は、長年の医療費削減政策によって、弱く、もろくなってしまっていることを明るみに出しました。
そのときに菅政権は、消費税を財源に病院のベッドを削る病床削減推進法を強行し、75歳以上の高齢者の医療費窓口負担を2倍にする法律を強行した。断じて許すわけにはいきません(拍手)。みなさん、この二つの法律、実施はこれからですので、選挙で審判を下そうではありませんか。こんなとんでもない法律をつくった勢力に、都議選、総選挙で、日本共産党への1票で、厳しい審判を下し、医療破壊の悪法の実施はやめ、医療に手厚い日本をつくっていこうではありませんか。(拍手)
都議選の大争点 「五輪より命を」「五輪中止し命を守れ」の1票を日本共産党へ
さてみなさん、東京オリンピック・パラリンピックをこのまま開催していいのか。これが都議選の大争点になっています。
「オリンピックより命を大切にする政治を」――この願いを日本共産党に
私は、いま問われているのは、たいへんにシンプルな問題だと思います。「オリンピックと命とどちらを大切にするのか」という問題です。このように問えば、「もちろん命が大切」と圧倒的多数の都民のみなさんは答えるのではないでしょうか。
ところが、菅政権と小池都政がやっていることは反対です。「命よりオリンピック」――オリンピック最優先で、国民の命は二の次にしているではありませんか。
「無観客が望ましい」という専門家の提言すら無視して、1会場「上限1万」、1日最大20万人にもなる有観客の方針を決めました。みなさん、「観客を入れたオリンピックなどとんでもない」という声を上げようではありませんか。(拍手)
園児から高校生まで90万人をオリンピックの観戦に動員しようとしていることも大問題です。目黒区や文京区では中止を決めましたけれども、当然のことです。みなさん、「子どもたちをオリンピックに動員するな」、この声も広げようではありませんか。(拍手)
「命よりオリンピック」――こういう政治に厳しい審判を下しましょう。
「オリンピックより命を大切にする政治を」――この願いを、どうかこぞって日本共産党に託してください。よろしくお願いいたします。(拍手)
命を守る最良の方法は五輪中止――政治の根本姿勢が問われている
もう一点、訴えたいことがあります。都民・国民の命を守る最良の方法は何か。オリンピックをきっぱり中止することではないでしょうか。(拍手)
オリンピックを開催すれば、感染リスクが高くなること、どんな対策をとっても追加のリスクをゼロにすることはできないことは、政府分科会の尾身(茂)会長も国会答弁で認めました。オリンピックを開催した場合、最悪のケースで、7月末には東京の新規感染者が2000人を超えるという試算もあります。新たな感染拡大の波が起これば、重症者も増えます。そして亡くなる方も増えることになります。
私は、政治の根本姿勢が問われていると思います。政治の根本姿勢として、「オリンピック開催によって亡くなる方が増えても仕方ない」という立場には決して立ってはならない、このことを言いたいと思います(拍手)。そういうオリンピックならば開催する意義はない、こうはっきり言い切ることこそ、政治の役目ではないでしょうか。(拍手)
都議選の審判で止められる――「五輪を中止して命を守れ」の1票を日本共産党に
ここまできて、「そうは言っても、中止は難しいのでは」という声もあるかもしれません。ただみなさん、当たり前のことですが、オリンピックというのは自然現象ではありません。地震や津波や台風とは違うんです。人間が行うイベントです。だから、政治が決断すればいつでも中止することができます。
菅首相と小池知事が、何が何でもオリンピックを開催するというのだったら、都民の意思を示そうじゃないですか。7月4日の都議選で審判を下そうじゃありませんか(拍手)。7月4日からオリンピックの開会日まで20日近くあります。中止を決めるのに十分な期間じゃないですか。間に合わないなどということはありません。
どうかみなさん、都議選で日本共産党を躍進させてください。日本共産党を躍進させれば、オリンピックを止める道が開かれてまいります。「オリンピックを中止し命を守れ」――この1票は、どうか党派の違いを超えて、日本共産党に託してください。大山とも子さんにお寄せください。よろしくお願いします。(拍手)
「四つのチェンジ」で安心と希望の新しい都政をつくろう
さて、東京都政のどこが問題で、どう変えるか。私は、「四つのチェンジ」で安心と希望の新しい都政をつくろうということを訴えたいと思います。
「ケア」に手厚い東京を――都立・公社病院の独法化をやめ、保健所復活を
第一は、医療・介護・障害福祉・保育など「ケア」に手厚い東京へのチェンジであります。
医療を削る政治は東京でも猛威を振るっています。
自民、公明の都政は、都立病院を16カ所から8カ所に、保健所を71カ所から31カ所に減らしてしまいました。その結果が、コロナ危機のもとでの医療と公衆衛生の疲弊とひっ迫です。
ところが、いま小池都政は、八つの都立病院、六つの公社病院を独立行政法人にすると言っています。どうなってしまうのか。都立病院への400億円の負担金が減らされ、「もうけ優先」に変えられ、感染症医療、周産期医療、小児医療、救急医療など、都民のみなさんの命を守るうえで絶対に欠くことができない医療が削られてしまう危険があります。こんな道を許してはなりません。
自民党、公明党、都民ファーストは、都議会でこの独法化推進の“先兵”の役割を果たしております。みなさん。独立行政法人化はやめて、都立病院は直営のまま拡充を、減らされた保健所を復活しよう――この1票を、どうか日本共産党に託してください。よろしくお願いいたします。(拍手)
「稼ぐ東京」=大企業応援第一から、福祉と暮らし第一の都政へ
第二は、「稼ぐ東京」の名での大企業のもうけ応援第一の都政から、福祉と暮らし第一の都政へのチェンジであります。
小池都政が言う「稼ぐ東京」とは何でしょうか。いま「3点セット」が大争点になっております。
都心上空を超低空で巨大旅客機が飛行する羽田新ルート。
事業費が2兆3500億円、1メートルl・5億円まで膨張したあげく、陥没事故まで起こしている東京外かく環状道路。
そしてコロナで世界中で閉鎖・撒退に追い込まれているカジノを、この期に及んでこの東京にもってこようとする計画であります。
「稼ぐ東京」といいますが、都民のみなさんの「稼ぎ」をよくする話じゃありません。どれもこれも、もうけるのは一握りの巨大企業だけで、多くの都民はとんでもない被害を受けるだけではありませんか。
羽田新ルート、外環道、カジノ――「稼ぐ東京・3点セット」を推進する自民党、公明党、都民ファーストに、大切な都政を任せるわけにはまいりません。(拍手)
だいたいみなさん、自治体の仕事は、「稼ぐ」ことなんかじゃありません。みなさんの税金でやっているのですから、その仕事は、地方自治法にもあるように、「住民福祉の増進」、ここにつきるのではないですか。(拍手)
私は訴えたい。
高すぎる国民健康保険料を大幅に引き下げようではありませんか(拍手)。とくにひどいのは、子どもの均等割と言いまして、赤ちゃんが1人生まれるごとに、東京23区では5万2000円も保険料が上がる仕組みです。さすがに国も、これを半分にすることを決めました。だったら都の制度として、子どもの均等割を、きれいさっぱり廃止しようではありませんか。(拍手)
義務教育の学校給食は無料にしようではありませんか(拍手)。すでに全国の自治体でも、ずいぶん進んでいます。だいたい、憲法26条には、「義務教育は、これを無償とする」と書いてあるじゃないですか。憲法に書いてある通りに、子育て世代の重い負担となっている学校給食を、都の制度として無料にしていこうではありませんか。(拍手)
補聴器購入への補助を実現しようではありませんか。共産党都議団が調査したところ、平均27万円もかかる。高いですね。補聴器購入への補助を都の制度としてつくって、高齢者の聞こえを支援しようではありませんか。(拍手)
みなさん。いまの都政にないのは、お金じゃありません。心がない。ないのは「福祉の心」ではないですか。日本共産党への1票で、都政に「福祉の心」を取り戻そうではありませんか(拍手)。大山とも子さんにその先頭に立ってもらおうではありませんか。(拍手)
ジェンダー平等を進め、個人の尊厳を大切にする東京をつくろう
第三は、ジェンダー平等を進め、個人の尊厳を大切にする都政へのチェンジであります。
共産党都議団は18人のうち13人が女性です。72%です。この構成で、素晴らしい仕事をたくさんしています。
この間、「痴漢被害アンケート」に取り組み、寄せられた深刻な被害をふまえて、都議会で初めてまとまった形で「痴漢ゼロの東京」をつくろうという提案をしました。これが大反響を呼んでおります。
それから、都立高校でいろいろな理不尽な校則があります。ツーブロックの(髪形の)禁止とかさまざまな理不尽な校則がありますが、その是正を求める質問を都議会でやりまして、改善の方向に一歩踏み出しつつあります。(拍手)
6月都議会で大きな前進がありました。「同性のパートナーを、男女のカップルと同じように、家族として認めるべきだ」という「パートナーシップ制度」を求める請願が、全会一致で採択されたのであります(拍手)。運動に取り組んできた方々と共産党都議団の奮闘が、全会一致の採択に結びつきました。ただ、自民党は賛成したのですが、「制度の実現は慎重に行う」などということを言っています。ですから、本気で制度を前に進める議員を増やして、新しい都議会で実現しようじゃありませんか。(拍手)
ジェンダー平等の東京を願う1票は、どうか日本共産党にお寄せください。よろしくお願いいたします。(拍手)
米軍の無法やめさせ平和な東京を――党をつくって99年、反戦平和貫く日本共産党に
第四は、米軍のオスプレイの配備、無法な低空飛行をやめさせ、平和な東京へのチェンジであります。
米軍ヘリコプターによる都心部での危険きわまりない低空飛行が常態化しております。「しんぶん赤旗」が昨日までに入手した米軍資料で、米軍ヘリが横田基地から、東京都庁を目印に飛行していることも明らかになりました。
目の前を米軍ヘリが無法な飛行をしているのに、抗議一つしない菅首相と小池知事。これで独立国と言えるでしょうか。
米軍機の無法な低空飛行はやめさせようじゃありませんか。平和な東京を願う1票は、党をつくって99年、一筋に反戦平和を貫いてきた日本共産党にお寄せください。よろしくお願いします。(拍手)
日本共産党の躍進で菅政権にサヨナラの審判を――総選挙での政権交代への道を開こう
最後にみなさん、この都議選の結果は、国政にも大きな影響を与えます。
いまの菅政権どうですか。コロナでは無為無策、沖縄県民と日本学術会議に対してはひどい強権を振るっています。「政治とカネ」の問題がどんどん出てきて、自分では一つも解明せず、腐敗と堕落は底なしじゃないですか。
みなさん。まずは都議選での日本共産党の躍進で、菅政権にサヨナラの審判を下そうではありませんか(拍手)。そして総選挙では、市民と野党の共闘を成功させ、日本共産党を躍進させていただいて、政権交代を実現し、国民の声が生きる新しい政権――野党連合政権をつくろうではありませんか。(拍手)
今度の都議選は、まさに日本の行方がかかった歴史的な選挙です。どうか都民のみなさんの大きなお力添えを重ねてお願いし、大山とも子さんへのご支援を広げていただきますことを重ねて訴えまして、私の第一声といたします。ありがとうございました。頑張ります。(大きな拍手)