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2021年6月24日(木)

美浜3号機再稼働強行

運転開始44年の老朽原発

 運転開始から40年を超えた老朽原発・関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)は23日、再稼働しました。東京電力福島第1原発事故後、原発の運転を「原則40年」と限るルールが設けられて以降、これを超える再稼働は初めて。


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(写真)関西電力美浜原子力発電所3号機=福井県美浜町

 同原発は1976年12月に運転開始し、今月末で44年7カ月になります。福島第1原発事故後は10年間停止していました。

 原発は運転期間が長くなるほど、炉心から出る中性子線を浴びる原子炉圧力容器の鋼鉄がもろくなり、機器の設計の古さなど、事故の危険性が高いと指摘されています。美浜原発3号機は2004年に2次系配管が老朽化による減肉で破損し、高温高圧の蒸気が噴出し、11人が死傷する事故を起こしています。

 避難計画の策定が義務づけられている半径30キロ圏内には滋賀、岐阜を含む3県10市町村に約27万9000人が暮らし、複合災害や、原発が集中立地する福井県で同時多発事故の危険性など避難計画の実効性が問題になっています。同県内ではほかに3基の原発が現在、運転中です。

 3号機は7月27日に営業運転に入る予定。しかし、新規制基準で設置が義務づけられたテロ対策施設(特定重大事故等対処施設)が完成しないため、設置期限の10月25日までに運転を停止。そのため運転期間は約4カ月になります。

 12年に改定された原子炉等規制法では、原発の運転期間は原則40年とされ、原子力規制委員会が認めれば、1回に限り最大20年の延長が認められますが、延長申請した原発はすべて認可され、「原則40年」は形骸化しています。


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